能力バトル好きは絶対読んでください

本当に見事な作品でした。寝る間も惜しんで夜な夜なタブレットにかじりついていたおかげで大変寝不足です笑。
この『楽園殺し』という作品には、様々な「愛」を持ったキャラクターがたくさん登場します。家族を奪われ、復讐のために生きる日々の中で新たに大切だと思える人を見つけた者たち。己の持つ全てを投げ打ってでも愛する主人を守り抜こうとした執事。幼馴染の青年とただ平和な日々を過ごしたかっただけのシスター。時に怒鳴り合い、喧嘩しつつも切磋琢磨し互いの技を磨き合うライバル。自身の力でパートナーを守りたいと、ほんの少し欲張ってしまった一人の寂しい強者──。
彼らは、それぞれ異なる色彩と温度を帯びた「愛」を抱え、物語の中で出会います。その愛が幸福をもたらすことにあれば、試練を呼び寄せ、時には破滅を迎えてしまうこともある。それでも彼らは「大切な人と共にいたい」と願い、血を流してもがき続ける。その姿に、胸の奥を掴まれたまま離れられませんでした。
そしてこの物語の醍醐味はやはり手に汗握る能力バトル。「重力操作」や「能力無効化」、「催眠」といった有名どころの能力から、「生物同士の融合」、「あらゆるものを貫通する球を打ち出す」といった変わり種の能力を持ったキャラクターたちがぶつかり合う展開は先が読めずハラハラドキドキし、スクロールする手を止められません。
久々に素晴らしい作品を読むことができました。現在続きを執筆中とのことですので、楽しみに待っております。