本格ファンタジー! 壮大で緻密なストーリー。おすすめです!

聖騎士見習い(従士)の少年タオと、司祭見習いの少年エリュース。
正直者で勇気があり、剣の腕を鍛えてる最中、タオ。
腕っぷしには自信がないけど、知恵がまわり、癒やしの力は才能があるエリュース。
二人は親友。タオは、エリュースの知恵を信頼してる。エリュースは、タオのまっすぐさがまぶしい。
そんな二人が、森で謎めいた黒髪の少女に出会った時から、運命の歯車は動き出す。その運命は、人々には詳細が伏せられた忌まわしき呪い、ウィヒトの予言を揺り起こすことになる………。

この黒髪の少女が、とっても清らかで、優しくて、守ってあげたくなるような少女なんです。
彼女がどうなっちゃうのか。はらはら、どきどき。最後まで目が離せません。

特筆すべきなのは、徹底した三人称(誰かの視点から語られる物語)。主人公の視点もあれば、盗賊の誰かだったり、教主だったり、女中だったり………。誰視点なのか、はじめに説明があるので、迷うことはないですが、登場人物が多いです。
そして、脇役と思えるような、もう二度とでてこない登場人物でも、ふとした人生を感じさせる瞬間があります。悪人なのに人間くさいところ、とか。
こだわりの執筆スタイルなんです!

・細部をおろそかにしない。
・謎めいて壮大なストーリー、伏線もたっぷり。
・キャラも魅力的、ヒロインとヒーロー、だけでなく、エリュースとその師匠(的な存在)、知識の鬼ダドリーの関係も好きです。

一話が長いので、読み応えがあります。反面、気軽に読もう、という作品ではありませんが、時間をとって読書する価値があり、充足の読書時間をお約束します。
最後まで読了しましたが、物語が終わってしまうのが惜しいほど、没頭して読みましたよ。
おすすめです!

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