2話目 戸惑う殺人鬼と堕ちる女子高生

「結!結!やめろ!もういい!」


呼びかけてもなお男の背中にナイフを突き立てる結。


その光景は異常だった。もう血も出らず、男の下に大きな血溜まりを作ってるだけだった。その上で口角を上げる結。


あぁ、ハマってしまった。結もまた人の命を奪うことに快感を覚えてしまった1人であった。


「結、行くぞ!」

「あ、うん、あはは」


結がこうなったのは俺のせいや。俺が今の俺の状態になるまで戻してやらな。


俺も元は人を殺す行為にハマってた。今はしない。だけど、ムカつくやつは殺す。そいつらから金とかを巻き上げる。そうしないと食っていけないのも事実だ。


1度人を殺すと堕ちる。ただ人によってはもう殺さないって人もいる。大抵は快感を覚えて堕ちる。そうなったらよく言う快楽的殺人犯になる。


俺も元は、そんな奴らだった。殺すことが楽しくて人を無差別に殺す。でも俺は変わった。ムカつくやつは殺す。殺す瞬間は楽しいけどね。


だから、結も、ここまで引き上げてあげなきゃ。多分結の場合はそのまま自決する。


でもどうすれば引き戻せるのか分からない。俺は時間が解決してくれた。でも結は時間で解決できる気がしない。


「私が殺した、殺した!あははは!」


あぁ、もっと堕ちた。だからといってめんどくせぇことは変わらない。


「結!行くぞ!」

「ざまぁみろ!殺してやった!私が殺した!みてた?ねぇ。」

「うん、みてた。沙姫が殺した。」

「え、私が殺したの?え?どういうこと?わたしが?」


頭が混乱してるな。しかも酷いな。自分で言ってる意味がわかってないって言うか、殺したっていう事実は楽しいがそれを否定してるみたいだ。


「結、なにもかんがえんな。」

「私がやったの?わたしが?」

「結!考えるな!」


結は肩を震わせてそのまま何も言わなくなった。

そのまま手を引いてまた別の寝床を探す。


その時だった。


「見ろよあいつら、あれって血じゃね?うぇぇ。」


ムカついた。咄嗟に結の手を離し2人組に接近する。びっくりして動けない様子の2人に話しかける。


「少しいいですか?」

「な、なんだよ。」

「道がわからなくて…困ってて。」

「あ、そ、そうなのか。どこに行きたいんだよ。」

「いや、ちょっと複雑な所らしいので少し落ち着いた場所で話したいんですが…」


有無を言わさぬように睨みつける。


「お、おう、わかった、じゃそこの路地裏に入ったところで話そうや。」

「ありがとうございます。」


結を連れ戻す。結は、俺が手を離したあともとぼとぼ1人で歩いていた。


路地裏に入ってすぐ手前の男の首を切った。


「な、なんだよ!おまえ!ひ、人を殺しやがった!」

「逃げんなよ、手間かかるな…もぅ早く死ねよ!」


後ろを見せて逃げる男の背中にナイフを投げる。


ナイフは男の背中に刺さった。男はそのままつまづいて転んでしまった。それを見た結は男に走っていった。そしてやっぱり、ナイフを抜いて刺す抜いて刺すを繰り返した。


結は、一時殺しからは離さないといけないな。


「あはははははははははは。」


狂いきった結の手を引く。その前に男だったものの持ち物から金目のものを取る。こうしないと生きていけないんだ。


久しぶりに殺しをした気がした。まだ1日も経ってないんだけど、それでも何故か久しぶりに感じた。

やっぱり殺しは楽しいな。死ぬ時の人が目を見開くあの顔…思い出すだけでゾクゾクする。


あぁ、寝床を探してたんだ。未だにブツブツ言っている結を連れて歩く。目的もなく。ただひたすらに。





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挨拶が遅れました。病んでる高二です。


今作「血塗れの包丁と女子高生」は、殺人鬼と女子高生の話です。


当初では恋愛要素を入れていこうかなと思っていたんですが途中で、女子高生が狂っていく描写を描きたくなってしまい、こんな話になってしまいました。この作品は1日に1話をめざして投稿します。


良ければ気長によろしくお願いします。

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