30試合目 ノゾキミ

 二人になった俺たちは少し歩きまわることにした。

 「おまたせ~!」

そのタイミングで柚希が戻ってきた。

 「おう、なに取りに行ってたんだ??」

 「じゃじゃーん。これ!」

柚希が持っていたのは扇子だった。

 「この扇子は俺が去年プレゼントしたものだな!」

 「そうだよー!」

去年の祭りのときにプレゼントしたものだ。なのでまだまだきれいである上に几帳面な柚希のおかげで買った時よりも輝いている気がする。

 「まずはどこに向かおうか??」

 「ふふふふ!私はすでに決めていましたよ!!兄さん。」

 「ほほう…どこだ!!!」

 「りんご飴が食べたいです!」

初手!?????

 「紫はいいか???」

 「僕はどこでもオッケーだよ!」

 「じゃあ行くか!!!」

三人は甘いにおいのもとりんご飴を食べに屋台に向かった。

 「ほれ。買ってきたぞ~」

 「ありがとう!兄さん!」 

 「あ、お金払うね!」 

紫は自分のバックから財布を取り出す素振りをした。

 「いや、気持ちだけもらっておくよ。」 

 「いやでも…」

まじでいいだな… 

 「いやいや、今日来てくれただけでうれしいから本当に大丈夫。」

 「そ、そう???ありがとう…」

 「どういたしまして!」

とイケメンぶってみます。今日くらいはいいよね!

 「そう考えるところが兄さん普通だよね。」

 「主人公のイケメンじゃなくってごめんなァ!!!!」

クッソ。妹の心読む能力どうにか排除したい!!

 そんなこんなでみんなはりんご飴を食べ終わった。

 「次は僕行きたいとこがあるんだけどいいかな???」

 「もちろん!」

到着したのは、焼きそば屋。

 「食べ物…???」

 「ダメかな???」

 「いやいや!俺も食べたかったところよかった!」

ぐう…

 「よかったあ…」

はい。カワイイ。いくらでも食ってやる!!!!

 「次は普通に僕も払うね!」

ココが世の中の女子と違うところだ!素敵!!!かわうぃうぃ!

 買った後三人で食べようとした時だった。

 「あれって春馬くんたち???」

横の椅子で座って二人で焼きそばを食べていた。

とてもいい雰囲気だな…なので、

 「お~い!春馬~~~!」

声をかけることにした

 「西屋敷だ!!!ちょっと早めの合流だね!!!」

 「兄さん…」 「西屋敷…」 

 「どうした??さくら、柚希。」

 「何でもない…」 「この悪魔!!!!」

 柚希は諦めるようなしぐさをとり、さくらは怒った。

 「悪魔とは失礼な!俺にだって考えがあったんだぞ!!」 

 「考え…???」

 「そうだとも!!お前らいい雰囲気だっただろ。」

 「そうね…」 

 「だから声をかけた。」

 「はあああああああああああああ!?????なんでわかっててやるのよ!!!」

 「オレ、リアジュウ、キライ。」

 「殺す。」 

 「ちょちょちょ!相川さんやめてあげて!!!」

この喧噪を紫が止めた。

 「止めないで芥田さん!!!私はこいつを殺すんだから!!!!!」

紫は必死にさくらを止めていた。

 「徹君も仕方ないんだ!!!さっきリア充に煽られたんだから!!」

 「なによそれ???」

 「実はかくかくしかじかで…」

紫はみんなにさっきの出来事を伝えた。

 「そうだったの…。でも許さない!!!!」

 「相宮さん。許してあげてほしいな…????」

 「許す~~~~♡」

ちょっろ

 「それより皆さん。やきそば冷えちゃうので食べちゃいましょう。」

柚希がこの場を仕切った。さすがみんなのお母さんだ。

 「にいさん~~~~~????」

 「はい。」

 「兄さんも謝りましょうね????」 

 「ごめんなさい。」

 「なんで西屋敷は妹にこんなに弱いのよ…。」

し、シスコンちゃうわ!

 みんなで焼きそばを食べている時だった。

ピンクのツインテ魔獣:通称 白村が一人でいた。 

 「おいゴミ!」

いきなりこっちを見るや否やゴミって…突っかかってくるなよ。好きなの???小学校の時好きな子にちょっかいかけちゃう子なの???

 「蓮見てねえか???」

 「しらん。」

 「使えな。っていうか相川さくら!??なんで一緒にいるの!??ゴミなんかとつるむなんて品格も落ちたものねwしかも磯村とかいうキモキャラもいるしw」

 「なんですって!!!」

 さくらが切れそうな時だった…

 「失せろ。」

白村の後ろに十文字が立っていた。

 「十文字先輩!????」

 「俺のことを馬鹿にしようと知らんが後輩やその友達を馬鹿にしてみろ。刺すぞ?」

 「何よ…あんた…。まじきも…あ~冷めた!しね!!!!」

そう捨て台詞をはいて去っていった。

 そりゃそうだ。ガタイがよく顔が怖い状態の先輩が後ろにいたらそりゃびびるよなあ…

 「助かりました!!!祭り来てたんですね!先輩。」

 「受験勉強の息抜きだ。まあ輩多いからまたなんかあったら頼れよ~。じゃあ俺は友達のとこ戻るな。楽しめよ~~。」 

 「ありがとうございます!!!」

それだけ言って十文字先輩は去っていった。

 ヒーローかよ…

 「挨拶できなかったなあ…」

紫は一人少し残念そうにしていた。


柚希は頭に?ができていた。


 次回 大きく変わる祭りの始まり…


 

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