第17話

「成りたいものね。」


心の中では決まっている。

でもとても届くとは思えかった。


「今日も現実逃避に行くかな。」


異世界に行くのだから現実逃避で間違っていないと思う。

異世界に行く前にどれだけ口座に貯金がたまったか見てみる。


口座残高

10,424,000円(1千42万4千円)


もう高校生の持って良い額ではない気がする。

並列思考スキルを用いて異世界に居る時と学校で勉強しているとき以外は換金スキルを使用しているため伸びはイマイチだがこれだけあれば現実世界ならちょっとしたエリートサラリーマン扱いだろう。

大学卒サラリーマン初年度平均年収270万円

生活費を家賃月3万、食費3万、光熱費1万以下と仮定しその他を切り詰めた生活をすれば5年ほどで稼げる計算となる。


スキルを買うのはしばらく控えており貯めるだけ貯まった感じなのだがそれでもこの金額。

楽して金を稼ぐのには気が引けるが口座からお金をおろすときに1円玉しかだせなかったので使えない。

というかインフレが起きてしまうからそうそうショップスキル以外では使えなかった。


「さて何を買うことができるかな。」


ショップスキルで現在購入可能な価格帯のモノで良スキルだと思うものをピックアップしてみた。


剣術(ボジタット王国創生流)

異世界と言ったらこの王道。

小回りも聞くし威力はあまり出せないが冒険者が持っていれば大成すること間違いなしのスキル。


ボジタット王国金剛貨幣10枚


槍術(ボジタット王国騎士団流)

槍は最強の兵器、まだ鉄砲なんてものが出来上がっていない世界ではこれこそが戦場を支える歩兵のかなめ!

槍を誰よりも扱えるように成れば将軍だって夢じゃない!


ボジタット王国金剛貨幣10枚


ボジタット王国のレートはザーハック王国の約半分で貨幣価値が低いのが特徴だ。

だからこの剣術と槍術は5,000,000円ほどで購入できる。

中世ヨーロッパや日本でも貨幣の貴金属の浮遊率による価値の違いは出ていたらしいが芸術性などから価値が上がっている国もある。


けれどもこのショップスキルの不便なところはそのまま日本円で購入することができないのでいったん変換しないと買えない。

手数料はかからないのだが凄い面倒に感じる。

だからスキルを買うのを控えていたりしたのだけども数か月異世界を生き抜いて決め手に欠けることに気づいたので何か攻撃系のスキルが無いが探していたのだ。


「でも剣術も槍術も手に取ったことも無いし、それに武器を限定されるとスキルに依存し過ぎて武器を失ったときが怖い。」

「ならこれなんてどうだ?」


生存術

どんな環境、戦闘でも生存する確率を残すスキル。

0%の生存確率1%に変える。

奇跡を起こしたいのなら命懸けで生存を勝ち取れ、奇跡を舐めるんじゃねえぞ!

100%の奇跡なんて存在しねえ!

暗闇から垂らされた感覚の掴めない一筋の蜘蛛の糸を登りきって初めて奇跡は起こる!

もう一度言う!

奇跡舐めんじゃねえぞ!


「なあショップスキルの説明見てて思うんだが……。」

「言うな。」


某監獄にいた奇跡の人のセリフパクってね。


「じゃあこのスキルなんてどうだ。」


背水の陣

もう後に引けない事態に陥った時、全ての能力を5倍にまで引き上げるスキル。

後ろにいる奴一人守らずに逃げて明日食う飯が美味えか!

後に引いたらダチ1人救えねえチンピラになっちまう。

漢見せるんだったらやること決まってんだろう!


「いやこれもパクリじゃん。」

「ならこれで。」


戦士術(時偶流)

戦士とはいかなる時も戦に居らねばならぬ。

しかし同じ戦法、術を用いていてはいずれ負けること確実なり。

故に時偶(意味:ときどき)に戦法、術を変えるべし。

時代と共に変化を求む術故に正式な方は在らず成らず置かず。

時代のうねりに順応しゆるからこそ最強へとい足らんことを願う。


時に槍、時に剣、時に弓、時に糸、時に石。


時偶流に外れ無し、全てが武器、全てが流なり。


明治500円


「棒術みたいなこと書いてあるな。」

「ああでも500円だし。」

「いやここに明治500円って書いてあるってことは結構高いぞ。確か明治の円って今の円に換算すると確か一円当たり2万円くらいになったはずだ。」


『明治円への換金は日本円の場合レートは今のままで結構です。ただしザーハック王国貨幣からの変換を行う場合は2万円と同等のレートから行っていただきます。』


これはかなりの博打のように思える。

おそらくこのスキルは日本でできたものだと思われる。

異世界で通用するかは解らない。

しかし金額的にみるならかなりお得に見える。


でも聞いたことのない自分の国のスキルに手を出すのは気が引ける。


「うーん。」

「さっきから何うんうん唸っておる。夜だというのに、恋でもしたのか?」

「そうじゃないよじいちゃん。」


どうやらじいちゃんの部屋まで響いていたらしい。


「そういえばじいちゃんって何か格闘技をやっていたんだっけ?」

「格闘技とは程遠いと思うから教えられないな。儂がやっていたのは軍人がやるような人を殺すための術だ。流派もへったくれも無い。もし流派をつけるとするのなら江戸のころの歩兵たちがやっていた野良戦士術とでも言った方がええな。」


その言葉を聞いて少し迷ったが購入のボタンを押した。

それに安いからもし駄目だとしても他のスキルも買っておけば良いだろうしとこの時は思っていた。


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スライム道

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