終着駅

遠く窓の外

黒の景色の中を

様々な色の光たちが流れてゆく


ともすれば

明るい別の景色にとって変わられそうになりながら

小さく小刻みに揺れる体は

やがて静かに崩れ落ちてゆく


昼間の疲れを背中に押し付けながら

瞼に備え付けた自動開閉装置は閉じてゆく


大きな揺れ

体は左に揺さぶられ景色は停まる


はたと目が覚め

語りかける様な声に気がつく


さっきまでの心地よい振動を求め

再び頭を垂れる


到着は

まだもう少し先のようだ

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