34 勝利チームインタビューです

「みなさんお待たせしました。実況の西田勝にしだまさるです。これより、第4試合の勝利チームインタビューを始めます」

「解説の望海誠のぞみまことです」


 ステージに端、実況席の近くに4人が立てるようなお立ち台がある。マッチ勝者はそこのうえでインタビューを受けることになっている。

 台の左側下段には実況の人がいる。そのうしろには縦長のモニターが置いてあって、そこにVTuberの望海誠が映っている。


「では、まずリーダーのPowerGGぱわーじーじー選手にお話を伺います。1位獲得、おめでとうございます。まずは率直に今のお気持ちをお聞かせください」

「ありがとうございます。そうですね。素直に嬉しいです」


 大会中は登録名で呼ばれる。PowerGGとは絵麻のことだ。


「4戦目にして初めての旗ですが、これまでの3戦は順調だと感じていましたか?」

「はい、これまでもポイントは稼げていたので、焦りとかはなかったです」


「ありがとうございます。では次にminazuki選手に伺います。この試合、個人で何キル取ったか覚えてらっしゃいますか?」

「………………じゅう……????」

「(ヒソヒソ...15」絵麻が助け舟を出す。

「15」

「(笑)ありがとうございます。ひとりで随分の稼ぎましたけど、どういった要因があったと思いますか?」

「えーっと……それぞれが、役割を頑張りました」


「なるほど。Hunters のReAtack選手との注目の対決は素晴らしかったですが、あのときはどういったことを考えていましたか?」

「…………??????」

「(ヒソヒソ...最初の…展望台下の…3人目の…道向かいの……」

「あぁ……えっと、窓が光ったので」

「窓が……ですか?」

「(ヒソヒソ...もっと詳しく」

「(ヒソヒソ......」

「私が代わりに説明します。向かいの家の窓にマズルフラッシュが見えたので、反射的に打ち返したら命中しました。とのことです」

「なるほど……え、それって凄くないですか!?」

「そう……ですか?」


 会場がザワザワする。反応するだけならまだしも、それでヘッドショットを決めるなんて、普通はできない。


「どうでしょう。こういう会場でのオフライン大会は緊張しますか?」

「えっと、試合中はしないです」

「今はどうですか?」

「あ、はい多少は」


「ありがとうございます。では残りの2人にもお話を伺いましょう。SumireSmile選手は、これまでの4戦どうですか?上手くプレイできていると感じていますか?」

「うーん……自分の実力からするとじゅうぶん過ぎる結果だと思いますが、もっと上手くやれたんじゃないかと思うところもあります」


「Drop選手はどうですか?」

「私達2人は大会の中でも弱い方だと思っていますので、自分の出来ることをひとつずつやっていこうと思っています。その視点で考えると、上手くプレイ出来ていると感じています」


「なるほど。ありがとうございます。では最後にPowerGG選手、これからに向けた意気込みなどをお聞かせ願いますか?」

「はい。」


「と、いうわけで第4試合、勝ったのはRainbow squad でした。いやぁ望海さん、強かったですねぇ」

「20キルですからね。プロでもほとんどないスコアですよ」

「このまま独走してしまう勢いを感じますね!では、一旦CMです」


 なお、この大会の後、実況の西田勝は「こいつが言ったことは全部外れる」と言われ続けることになる。


 初日最終戦。

 美波は絵麻の運転する車の助手席に乗っていた。そのとき、Genki rengo の選手が牽制として適当に撃った弾が、偶然にも頭へ直撃してしまう。

 とんでもない不運に見舞われてエースアタッカーを失ったRainbow squad は、そのあとも4チームが入り乱れる乱戦に巻き込まれて脱落。最終戦を0ptで終えることとなる。


 その試合で10キルで勝ったのはHunters だ。危なげなく状況をコントロールし、勝利を決めた。


 1位と2位の差は10pt。差はあるとはいえ、ひっくり返る可能性が十分にある状況で大会は折返しを迎える。




初日5試合終了


1.Rainbow squad / 65 pt / 1flag

2.Hunters / 55 pt / 2flags

3.Kick Rob / 51 pt

4.oyatsu no zikan / 38 pt

5.jackpots / 34 / 1flag

6.nankuru ruru / 31 pt / 1flag

7.AmazonZ / 23 pt

8.4country / 21 pt

9.mimintoto / 20 pt

10.RED mens / 19 pt

11.cool runnner / 18 pt

12.sakurazima / 17 pt

13.Genki rengo / 16 pt

14.imayoshiDAN / 15 pt

15.stone stone / 15 pt

16.berabou ni tsuyoi / 14 pt

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