第29話 訓練場
「ブツブツブツ・・・
よし、訓練場に行くぞ」
せっかく出した黒板に一度も書くことなく
バルシュの書斎から移動となった。
移動の間もバルシュはブツブツと一人で何かを話している
「よし、誰もいないな・・・」
この訓練場は普段、領の私兵団やフレットやジョージの武術と魔法の訓練で使っているが
今日は、午前中に訓練があった為午後は休みとなっている。
ちなみに私兵団とはバルシュ付きの数名の家臣を中心に構成されている。
バルシュの家臣たち以外は普段街で冒険者として生活をしている者たちが殆どで
武術や魔法などを無償で教わる代わりに有事の際は協力をしてくれる人たちだ。
オレはまだ訓練をする年齢になっていないので
バルシュの家臣を含めて私兵団の人にはほとんどあったことが無い。
バルシュは50m程離れた場所にあるレンガの壁を指さしながら
「ダイ、まずあの壁に触れてここまで戻ってきてみなさい。」
と手始めにどんなものかを確かめるらしい。
「はい、全力での方が良いでしょうか。」
実はオレもまだ全力を出していないので少し怖かった。
「まだうまく扱えていないのであれば怪我をしない程度にしておきなさい」
「はい、わかりました。
ゴロウ、ちょっと待ってて」
といい、ゴロウを方から降ろすと。
ふわふわと浮遊していた。
「では、行きます。」
グっ!ドン
「「え?」」
ちょっと待てスタートの一歩しか踏み出していないのに
どんどんと壁が近づいてくる。
まずい、ぶつかる!
急いで反転し足でブレーキをかける。
すると壁の直前で慣性の法則を無視したようにしっかり止まれた。
「あぶなっ」
壁をタッチしさっきよりパワーを抑えて元居た場所に向かってシュタッ
この間僅か3秒ほどだろうか。
「まずいまずいまずいまずい」
「え?」
「この力はまずいだろうがぁー
あの距離を1歩?そんなの跳躍ではない!もはや飛行だ!
いや、これはまずいだろ。この力は」
「すみません・・・父様・・・」
「いや、すまん・・・
仕方ない。この力は隠しておこう。
不意に出てしまわぬようにこれから、力を抑える訓練をしていこう
しかし他の能力も見ておかなければ」
「はい」
「次は力だ どれほど腕力が上がっているのだろうか・・・
よし、この訓練用に硬化魔法がかけられた丸太を殴ってみよう。
今度は全力でやってみてくれ」
「はい、では行きます。」
さらり
丸太は塵となった
「・・・硬化魔法迄も無意味とは
仕方ない・・・これでは生活がしにくいだろう。
ダイには通常の訓練とは別の時間に
身体の使い方を慣れさせる訓練を設けないとな。
もちろん秘密裏に」
やはりとても身長に扱うべき内容だったか
「ありがとうございます。父様」
「だが、1人で訓練というのも難しいだろう。
本当は私がついていてやれれば良いのだが、すまんゴロウの研究を考えると現実的ではなくてな。
この件は明日まで時間が欲しい。」
「はい、ありがとうございます。
よろしくお願い致します。」
「そしたら今日はこのくらいにしておこう。
私も色々調べておく、また明日も同じ頃に私の部屋で考察していこう。」
「はい、父様ありがとうございました。」
そうして俺たちは自室に戻った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます