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オタクの死

オタクの死

西涼

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★11
4人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 八百本 光闇
    107件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    逃避を重ねた先にあるものとは。侮蔑と自虐を含む語りが心を抉る。

    他人とは違う人間になりたい。しかし、才能がないとは認められない。だから環境を言い訳にして逃げよう。

    そうやって逃避を重ねた先にあるものとは、空虚か?はたまた全く別のものか?


    この小説は、『おまえ』という独特な二人称を使っている。まるで『おまえ』の人生を指摘するかのような淡々とした文章で、『おまえ』の心情を丸裸にする。
    「おまえ」「おまえ」「おまえ」……と大量に指摘され、もしかすると、自分が体験したことでは?と、錯覚する。しかし、読み終わって、冷静になってみると、また違った見方ができる。
    もしかすると、語り手と『おまえ』は同一人物で、語り手は自虐をしているのではないか? と。


    以上は私の個人的な考えである。もちろん他の人が読んだら違うように読めるだろう。

    これはそんな奥深さを持った小説である。

    • 2021年7月2日 07:52