第25話 わたし、ユウレイになったよ。
「ミコ! お前は俺が護る! 絶対に死なせない!!」
「ミコはここにいるまだ、
俺が護る! ぜったいに向こうには
「ウソ!
「ミコの手をつかんでいる! 俺がミコが上に
「
ミコ様のユウレイが!」
「ああ、
俺のことをじっと見ている!! 体を治せば生き返るかもしれない!!」
お父さんは、
「
「わかりました! Hey! オルカ!」
『なんですか?
「
フィールド構築した後は、
『OK!』
「ミコちゃん、ごめんね!」
と言って、わたしの着ている服をビリビリとやぶいた。(結構力持ち)
そして、ビニールの手袋をして、消毒液をとりだすと、わたしの口元と、ムネの傷口を消毒した。
わたしの傷口はびっくりするくらいちっちゃかった。わたし、こんなちっぽけなキズで死んじゃったの?? あ、でも、心臓にちめいてきなダメージって言ってたから、それが原因なのかな?
わたしがあたまをぐるぐるさせていると、蛍光カラーのイルカがつぶやいた。
『
ゲートを開きます』
蛍光カラーにかがやくイルカは、
おっきなテレビは、まるでプロジェクターみたいに「ぼぅ」っとひかって、真っ白な部屋を映した。
「
相生くんは、すっごい早口でつぶやくと、お父さんに向かってさけんだ!
「
「
お父さんが叫ぶと、
「Hey! オルカ!」
お父さんの声が、テレビから聞こえてきた。
(本当にどういう仕組みなんだろう)
『なんですか?
「治療の手分けをしたい。私は心臓の縫合をするから、オルカは筋繊維の縫合を。そのあと
『OK! 処理を実行します』
蛍光カラーのイルカがつぶやくと、わたしをグルグルまきにした糸がシュルシュルと伸びて、蛍光カラーのイルカのさきっぽにまきついた。
お父さんは、ポケットから小さなあおみどり色のカシューナッツを取り出すと、
「Hey! ミニオルカ!」
って言った。
『ナンデスカ?
「ミコの心臓を映して!」
『OK! ショリヲジッコシマス』
小さなカシューナッツは、蛍光カラーのイルカになって、プロジェクターに映った真っ白い部屋一面に、糸でグルグル巻きのわたしを映した。そして、ぐんぐんとズームアップして、わたしの心臓を映した。
『
お父さんは、なんだかカッコいいポーズをとると、わたしが糸がシュルシュルとほどかれていった。わたしのムネの傷は、糸でキレイに縫われていた。
お父さんは、つづけざまにかっこいいポーズをとった。
「
『準備が整いました。
心臓マッサージを開始します』
ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……。
テレビの中から機械的なリズムの電子音が、聞こえてくる。
「反応は?」
お父さんが蛍光カラーのイルカに聞いた。
『生体反応ありません。
心臓マッサージを続けますか?』
「……ああ」
『OK!』
ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……。
わたしは、機械的な音を流しているテレビをずっとながめていた。
でもね。
ユウレイになったわたしの体は……少しずつ少しずつ、上へ上へとフワフワと浮かんでいった。
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