動画配信④
「ねぇねぇお兄ちゃん!!RINEで送ってきたあのMV見たけど、本当にあれお兄ちゃんが作ったの?」
「うん。そうだよ。聴いてみてどうだった?」
「もう、最高だったよ!!耳が蕩けそうになって。」
俺の膝の上に座ることが当たり前になったかおりは、俺の膝に座りながら本当に幸せそうな顔で話す。そんな表情をされると、あのMVを作った甲斐があるというものだ。それに、この様子ならあのMVはかなりの視聴率が狙えそうだ。
俺は、かおりの髪を撫でながら心の中でガッツポーズをとる。
「それでお兄ちゃん。あのMVって友達にも見せてもいいかな?お兄ちゃんの凄さを皆にも教えたくてぇ。」
「全然いいよ。それに、あのMVは動画配信の出来るヨウヅベで配信するつもりだしな。」
「え?お兄ちゃん何て言ったの?」
膝の上に座るかおりは、俺の方を振り返るとジト目で俺の方を見てくる。美少女のジト目は可愛いと言っている奴がいたが、確かに可愛いな。しかも、可愛いらしい妹からのジト目だ。前世ではジト目なんて向けられてことなかったから、初めての経験だな。っていうか、ジト目を向けられるようなことなんて言ったっけ?
「ただ、あのMVをヨウヅベで配信するって言っただけだぞ?」
「駄目だよお兄ちゃん!!あのMVをヨウヅベで配信しちゃあ。男に飢えた可哀想な女共が、お兄ちゃん目的で特定してくるかもしれないよ!!」
「そんな訳ないだろぉ~ったく、心配性だなかおりは。」
一狼は気楽にあのMVを配信をすることを考えているが、この世界の男の希少さをまだ一狼はよく理解していない。
2000人に一人しかいない男。そんな男に出会えないまま死んでいった女性というのは沢山居る。基本的に男の結婚する女性の人数は一人から三人。政府は世の女性の為にと、男に結婚する女性を二十人以上にするようにと政令を出した事があるが、勝手な政府の横暴に男達はもう反発し、外国へと逃亡する男達が沢山出た事件がある。
この事件から、政府は男に対して結婚する女性の人数を今まで通りに戻し、男に対する政策を勝手にするのは止めようという暗黙のルールか出来た。政府の対応の後、外国へと逃亡した男達は日本へ少しずつ戻ってくるようになったが、男と結ばれるかもと期待した女性達の男を求める気持ちが爆発。今は収まっているが、病院で男児が産まれたという情報が出たら、その男児が誘拐されるということが頻繁に起こり、男を探し当てる為に家の中を外から覗き周るということが頻発したりした。
そんな事件が発生するほど女は男を求めているのだ。
男である一狼が歌ったMVを配信などしたら、特定など余裕で起こるだろう。
特定される未来が安易に想像出来たかおりは、配信をすることを止めようとしたが、一狼に撫でられてそんなことどうでも良くなった。
「それじゃあ、今から投稿するか。」
かおりを持ち上げたままそのままパソコンの前まで移動すると、パソコンをポチポチとする。どうやら配信方法は前世と同じらしく、タイトル名なども考えていた名前を入力して、大体五分近くで動画を配信する準備が完了した。後一回クリックするだけで、こっちでの初めての動画投稿は成功する。
さぁ、どれくらい再生されるのだろうか。
こっちには存在しない名曲をモチーフにして曲を作ったし、再生回数初めてだけど十万くらい行ったらいいな。
「かおりはどれくらい再生されると思う?」
「お兄ちゃんのMVだし、余裕で一千万は行くと思うよぉ~」
「可愛いなぁかおりは~そんなに行くわけないのに。」
「嘘じゃないのになぁ~」
左手でかおりの髪を撫でながら、右手でポチっと押す。
とりあえずMVの投稿も完了したし、かおりと何かして遊ぶか。
俺とかおりは、格闘ゲームで有名な超乱闘で遊ぶことにした。
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