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最後のお客さん

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野口マッハ剛(ごう)

おすすめレビュー

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★★★
★38
14人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 藤澤勇樹
    376件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    思い出と後悔が交錯する、とある喫茶店の最終日。

     本作は喫茶店の閉店という、何気ない日常の情景から始まる。だが、その実態は店主Tの人生の集大成なのだ。

     店内の調度品にはTの人生が色濃く反映され、常連客との何気ない会話は人生の機微を映し出す。
     
     物語が進むにつれ、Tの恋心とそこから生まれた後悔の念が巧みに浮かび上がる。思慕する女性の死によって、恋は儚くも美しい結末を迎える。

     ラストシーンで描かれるTの涙は、人生の尊さと切なさの象徴だ。
     
     著者の筆致は簡潔でありながら、登場人物たちの内面を見事に描写している。人生の哀歓を織り交ぜながら紡がれるストーリーは、あたかも淹れたての珈琲のように、読む者の心を静かに満たしていく。

     日常の何気ない情景の中にこそ、真の人生の豊かさが宿ることを教えてくれる珠玉の一編だ。

    • 2024年4月17日 00:45