• マイページ
  • 小説を探す
  • ネクスト
  • 書籍化作品
KADOKAWA Group
  • ログイン
  • 新規登録(無料)
花火

花火

次駅スグ

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★6
3人が評価しました
本文あり
日付が新しい順

本文ありのおすすめレビュー

  • K-enterprise
    610件の
    レビューを投稿
    ★★ Very Good!!

    絶望の黒いキャンパスに咲く花火

    創作は喜びなのか、修羅の道なのか。

    誰もがそれを始めた端緒は、ただただ楽しさの中に没入していれば、それで良かった。

    紙とペン。
    粘土。
    楽器。

    誰もが創造神だった。

    けれど、誘惑の果実が現れる。

    「評価」という禁断の果実。

    それは即ち、価値の提示であり、順列を規定する。

    それでも最初は知己の中で、優しい世界の中で取り交わされ、思いやりに満ちている。

    だから人は誤解する。
    その小さなコミュニティの評価が、大海の中でもきっと維持できると。

    紙は破かれ。
    粘土は土に還り。
    楽器はオブジェに用途を変える。

    それでも、そこから這い上がる意志があれば、塗りつぶした心の闇を、わずかな花火が照らしてくれる。

    そんなエールの物語。

    • 2021年6月1日 01:56