【補足 一次選考は突破しても……②】 作品の長さ
小説を書く時、文字数について悩む人は多いと思います。
つい、長くなってしまう。あるいは読み直すと説明や描写が足りないことに気づく。そういうことはよくあります。
逆に構想していたよりも短くなってしまう。余分な描写に後で気づく。そういう方もいるでしょう。
公募には規定の文字数があります。原稿用紙や規定の用紙による枚数のこともありますが、おおむねラノベなどでは10万〜15万字。児童文学では8万字くらいの場合が多いようです。
字数制限があるのはどうしてか。これは簡単に想像できます。それが一冊の本にして売り出すのに適した分量だからということです。
ですから、それより少なくても多くてもいけません。小論文などではよく規定のギリギリの字数まで書いた方が有利などと言われることがありますが、この前提から考えると公募作品はそうではありません。
それでは、規定の文字数にさえ収まっていれば長さは全く関係ないのでしょうか。
公募の目的は受賞作品を書籍化することです。
受賞から出版までに明らかな説明不足や無駄な描写などは改稿を求められるはずですが、その期間は限られています。
本を出せるギリギリの長さしかないのに無駄な描写が多い場合。あるいは規定いっぱいの長さになっているのに説明不足やストーリーに駆け込み感がある場合は、改稿はかなり困難です。下手に直せば直すほど完成度が落ちることもあると思われます。これは大きなリスクです。
もちろん修正する必要のない完璧な作品であれば問題はありません。
ただ修正点が残っていて『この作品は改稿が難しいな』と思われるのは受賞にとってマイナスであるはずです。
だから私の場合は10万字から12万字を目安に書いています。修正すると必ず増えるタイプなので……。長くなりがちな人は短めに、短く終わってしまう人は長めに書けるように作品を構想した方がいいと思います。
しかし、ここで疑問が出てきます。それではどうして最近のウェブサイトなどでは字数制限がない公募が増えているのでしょうか。
出版を前提としている以上、本にして賞金などの経費を回収するのが目的であることは間違いありません。一般の公募と違うところは、事前に作品がある程度公開されていて、一定の認知度があるということです。
私はこう考えます。
『字数制限のない公募で(完結していない、もしくは大長編の作品が)受賞する条件は、サイトでの圧倒的な人気から複数巻の発行が最初から見込める場合。あるいは序盤の引きでストーリーが展開するので、完結はあまり重要視されない場合である』
実際、ウェブから書籍化した作品は、続いている途中で打ち切りというのが普通にあります。とりあえず出してみて、売れなかったら即打ち切りというやつです。
このことから、ラストまで読まないと話の魅力が伝わらない作品は字数制限のない公募でも不利になると思われます。また、仮に受賞、または書籍化が打診されたとしても、出版される際には、本の文字数に合った改稿を求められる可能性が考えられます。
とまあ、ここまで考えてから、ふと自分を振り返ってみました。私は序盤の引きだけで長期間の連載を続けられるタイプではありません。サイトでの人気がない私は、字数制限がないウェブコンテストでも、どうやら公募と同じ条件(字数)で書かなければならないようです。
それと同時に気になることがひとつ。
一般の公募では完結が求められますが、同時に受賞作はシリーズ化することが多いようです。作家自身がブランドとなることは稀で、連載が終わるとスタートラインに戻ることが多い現状を考えれば、シリーズ化出来る作品の方が出版社にとってより魅力的であることは間違いありません。
それなら、キッチリ完結させつつシリーズ化も可能な作品にすればいい……。
なんじゃそりゃ! そんなのどうやって書けばいいんだっ!
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