第17話 僕はヒーロー

この世界は悪で溢れている。


リビングで見るテレビ。連日流れる人殺しのニュース。

見飽きたと思う。


だが、誰かが悪者に鉄槌を下さねば、この世は平和にならない。


だから僕は行く。夜中、皆が寝静まった頃。

サバイバルナイフを手にし、夜を徘徊する。


国籍不明。男。年齢は多分、僕のお父さんと同じくらい。

汚い男と奇麗な女の人。


何か可笑しい。

僕は笑ってしまった。


僕は降りたつ。ヒーローのように。


ギザギザしたサバイバルナイフ。

突き付け僕は言う。


「僕はヒーローだ。悪党は逃がさない!」


僕は子供なりに身軽で、男の背後に周り飛びついて喉を切り裂いた。


シャワーの様に血が舞い散る。


赤く染まる僕。


「お姉さん助けに来ました!」


「や、やめて。こないで・・・・誰か、誰かッ!」


お姉さんは悲鳴を上げ助けを求め、叫ぶ。


見つかったらお母さん達に怒られてしまう。


僕はナイフを持ち、お姉さんの喉を切り裂く。


「あーあ、せっかく助けに来たのに。」




朝、テレビニュースを見ると、最近やたらと流れる無差別殺人ニュース。


「あ。」


昨日の人だ。


「誰がやったんだろう。かわいそう。」


僕は今日も街を守るヒーローだ。

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