どこまで覚えていられるだろうか
- ★★★ Excellent!!!
古代になればなるほど、当時の人々の精神世界を読み解くことは難しくなる。
この作品では遥か昔に滅んだ人類の結婚式の再現をした新人類の様子が描写されている。
大変ロマンティックな作品であるのだが、人類である我々から見ると、おかしく見える様子や、新人類たちの文脈でとらえられている結婚への解釈もあり、どうにも、そうじゃない! と叫びたくなってしまう。
しかし、もしも自分がこの作中世界を生きる人物だったら、古代の再現もここまで来たか!とその再現の緻密さに驚きを隠せなかったに違いない。
失われたものを完全に復元することの難しさを、結婚式という「愛」の名を持つ不定形な文化を組み合わせた面白く、興味深い作品だと思う。