第七章 現実を打ち破れ!夢追い人の挑戦

 バイト代をほとんどオタク代につぎ込んで浪費家になっていた。本や漫画代は月々積みあがるようにかさみ、バイトを掛け持ちした。けれど、あこがれであった本屋さんでバイトをすることになったが、いじめにあった。

 シフトを確認した後、シフトが変わっていて、嵐の日に電話で出勤なんだけどと言われ、自転車でいけるはずもなく、「頭痛で休みます」と断り、次の出勤日に出勤すると「頭痛ってどのくらいひどにの? 私も頭痛もってるけど」と言われ、すぐにやめました。

人生初めてのパン屋さんでのアルバイトを辞めなくてよかったと思いました。

働いて初めてかったコンバースの靴で修学旅行に行きました。すごく嬉しかった。自分の働いたお金で日用品を買える喜び。これは忘れがたいですね。

達成感もありバイトと勉強の両立を見事成功させました。

 しかし、二年生の秋まではウキウキしていられるけれど、三年生が間近に迫って来ると、現実を見なくてはいけない日がやってきます。そう、進路の決定。

 将来の何になりたいのか、何をしたいのか、ぼんやりと抽象的にしか思い描けなった。でも、高校生になって私の生活を支えてくれたのはお芝居だった。

だから、声優になりたかった。でも、さすがに言えなかったです。不確かだし、厳しい世界だし、容姿も必要だし。どんくさい私はきっとなれない。でも、やってみたいという気持ちもあり、二年生の時は専門学校と母と先生に言っていましたが、専門学校は簿記や公務員を目指すところと偽っていて、心苦しかったです。このままでいいのか、「とりあえず」で良いのかと迷っていたがなんとかなるさで、そん楽しかった二年生の生活。文化祭や体育祭の盛り上がりはピークでした。


 今でもそうですが、楽しい時間ってあっという間だし、離れたくないですよね。ずっとこのままがいいなって、現実逃避したくなりますよね(笑)


 声優のオーディションに応募してみたくて、友達に撮影をお願いして、履歴書も書いたのに郵便物の切手が足りなくて戻ってきて、間に合わなくてすごく落ち込みました。運がないんだなって。それから、高校生活をきっちり乗り切ることが次への道に繋がると信じて突き進むだけ。


 三年生になり、進路相談の時期も早めでいよいよ本当の決断の時がやってきます。

 三者面談当日、母と先生で専門学校の話をして盛り上がっている所、私にどうしたいのか聞いてきました。正直と少しの嘘を交えて「大学に行きたい。大学に行けば、最高学歴が大学卒業になれば、就職などの選択肢が増えるから」と後半はもう言い訳です。大学も決めてありました。演劇科のある学費が芸大よりも安いところをすでにピックアップしていて、学校の成績も十分だったので先生との相談は一件落着。

 しかし、母との相談は長引きます。まず、お金の問題。どこから、捻出するのか。母は、私が大学に行きたいということを同居していた祖父母に話します。

祖父「行きたいなら行かせてやれ」

祖母「お金がかかる……」

二人の意見は割れましたが、祖父が家長だったので祖父が押してくれたこともあり、大学受験をすることができました。

 入試は公募推薦に絞り挑戦しようとしますが、AO入試の願書締め切り直前に実技テストがあるためAO入試を受験することに。大学側に実技のテストの内容を問い合わせたところ、過去の課題を頂くことができました。

 AO入試は見事、撃沈。学校の勉強以外、課外活動していなかったので落ちるのは分かっていましたが、やっぱり悔しいし。あと一回のチャンスをこぼしてしまったら、どうなるのか不安でそれはもうドギマギ、バクバクしてました。

 推薦入試当日、面接は当初よりも短くし、実技は一言しかしゃべれなかったけど、無事合格できました。

 この合格発表が10時からで、その時間は移動教室の古典の授業で起立とともに携帯を開いて、アクセスして合格の二文字を見た時は声を押し殺して喜んで、授業に集中できなかった。はやく、母に教えたかった。

 もしもの為に申し込んでいたセンター試験も受けず、残りの高校生活を満喫していましたが、球技の時間に骨折してしまい、バイトも出来ず、最後の高校生活はギブスとともに腕をつってました。それでも、駅までは自力で自転車を走らせ、大病も、大きな事故もなく、皆勤賞で高校を卒業することができました。

 いやー、ようやく狭い世界からの脱出。これからの新生活。憧れの大学生。これからは後悔しない様に自分を出していこうと決心をし新しい生活に向けて、洋服を買いに行ったり、計画を練ったり、始まるまでわくわくがたまらず、アドレナリンが出っ放し。夢に向かって近づけるのだから、それはそれはもう楽しくてしかたがなかった。一つだけ、不安があるとすれば奨学金を借りたこと。これは借金ですから、借金を背負った不安がまさか、どれだけの精神ダメージを与えることになるのかはこの時の私は楽天的で、少し生き急いでいましたから知る由もありません。

 そして、家族最大の危機が待ち受けていようとは! やり直せるなら、ここからやり直したい!

 

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