誰もが身につまされるだろう「人生の失敗」をコミカル(シニカルかも)に描いた物語である。 登場人物は何れも救いようのない駄目男、駄目女だ。 しかし作者は、彼らの弱さの裏に潜む小さなやさしさをさり気なく晒し出し、それがある限りどんな人生にも絶望はないのだ…と読者をホッとさせてくれる。 作家の条件を知りたい方には山田貴文さんの作品を読むことをお勧めします。