第17話
「ふざけてるんですか」
あやのは冷たい口調で言った。
「雑費と交友費ばかりじゃないですか!」
どれどれと、翼も領収書の束をパラパラとめくった。
「ひゃー。こんなのよく会計通ったなあ」
「会計って何だよ」
「酷い有様じゃろ」
「根底からやり直す必要がありますね」
学はそう言うと、翼から受け取った領収書を一つずつ確認した。
領収書の中には町の修繕費も、自警団等の活動費用も見つからなかった。
「あなたは町長としてこの町を守る義務があります」
学は毅然とした態度で言葉を続ける。
「俺たちが関わったからには、この町を再建して見せる」
「まずは町の修繕と自警団、ここから始めましょう」
「それとここに町があるという事は何か特産品とかあるんじゃないですか?」
翼が町長に尋ねる。
「昔はよお、神殿のそばで黄金の林檎が取れてそれでパイを作ってたな」
「そうじゃな。ヒットポイントが全快すると言って評判じゃったのう」
あやのが老婆に尋ねる。
「何故作らなくなったんですか?」
「スライムが巣を作って、近づけなくなったのじゃ」
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