第35話 買い出し完了
リーゼは昨日と同じドレスに着替え、寝巻きは圭が収納する。
適当に朝食を済ませ。先ずは昨日の服屋へ行く。
「おお、お待ちしておりました!
ささ、どうぞこちらへ」
「ああ、約束通り、パンツ500枚持ってきたよ。
ちょっと更衣室借りるね、そこに荷物出すから」
圭は更衣室に入りカーテンで目隠しすると、一気に500枚のパンツを収納から出した。
実はこの収納、1枚出すのも100枚出すのも一度に出来る、ストック分を再現なく手から一気に出せるのだ。
但し収納するときは手に触れているのが条件なので、一気にというわけないはいかない。
「おまたせ、更衣室に置いてあるから確認してくれる?」
「はい、ではさっそく」
更衣室に入る店員、メリッサは山積みになったパンツに悲鳴を上げる。
「ぬおおおおおお! なんじゃこりゃ! すげー! すげーよ!」
興奮しまくりのメリッサを、オーナーがたしなめる。
「メリッサ君、お客様の前ではしたないですよ」
「でもオーナー、これ見てくださいよ! 500枚ですよ500枚!
圧巻ですよ! 鼻血ものですよこれ」
「だからはしたいですよ、ここは品位ある店なんですから」
ウキウキで山盛りのパンツをカウンターへ運び、数を数える店員。
やはり腐ってもプロの店員だ。
色の仕分けから数えるスピード、普段から大量の衣類を扱ってるプロの手捌きそのもだった。
「はい、5色で100枚ずつの500枚、確かにいただきました。
それでは代金のほうを、お受け取りください、銀貨25枚です」
「はーい、銀貨25枚受け取りましたー」
財布係のリーゼが銀貨用の巾着に納める。
「ところでオーナーさん、ちょっと聞いてみるんだけどね。
この店は自分の工房で服を作ってるんだよね」
「はい、当店の服は委託販売以外の商品は全て当店のオリジナルです。
そちらのお嬢様がお召しになられているドレスもそうですよ」
「なるほど、もしもの話しなんだけどね。
一角狼の毛皮、それも傷ひとつない完全な1匹分の1枚物が手に入るって言ったら、金貨何枚で買う?」
「え? 一角狼の毛皮ですか! 当店でも何回かは扱ったことは御座いますが。
傷ひとつない完全な物なんて聞いたことないですよ。
ウチで扱ったことのあるのものはせいぜい、帽子などに加工できる程度の大きさです。
それでも仕入れ値で金貨1枚以上します。
それが1匹分の1枚物となると」
「天井知らずの値がつくよね」
「はい、ウチで仕入れるとしたら、金貨25枚から30枚でしょうか」
「それじゃ、仕入れてくるから金貨30枚用意できる?」
「え? あるのですか?」
「あるんだなこれが、どうせ卸すならちゃんとした服屋に卸したいと思ってね。
どうかな、買ってみない? これだけ高い服売ってるんだから資金はあるよね」
「是非! 是非譲ってください! 今お持ちですか?」
「いや、早くて明日の午後だな、卸せるのは3枚だけど、何枚買う?」
「3枚もあるのですか! 信じられない、こんなお話がウチの店に!
しかし、今ご用意できる金貨はせいぜい70枚くらいです、買えて2枚ですね。
もっと資金があればいいのですが」
金貨70枚、それだけでも2000万円相当だ。
高級服屋ってのはそんなに儲かるもんなのだろうか。
「わかった、それじゃ明日中に毛皮2枚持ってくるから。
金貨60枚お願いね」
「ありがとうございます、こんなお話、一生に一度あるかないかの取引です。
それがあればこの領だけでなく、王都相手にも商売ができます」
「それはよかった、また明日来るね」
「はい、お待ちしております」
服屋を後にする圭とリーゼ。
「凄いね、あの毛皮が金貨60枚になるなんて」
「これからの旅を考えるとね、資金は多いに越したことはないよ。
もちろん全部持っていくわけじゃないよ、村にも分けるから」
「村長びっくりするね、「この村に金貨なんかいりません」って言うかも」
「ああ、そうかもしんない。
でも置いていくけどね、なにかあったときお金は絶対あったほうがいいから」
そして街でフラフラしながら時間を潰して、辿り着いたフェルミ商会。
「お待ちしておりました、ブルーレット様」
「ああ、品物は用意できた?」
「はい、全て荷馬車に積んでおります、ご確認されますか?」
「いや、量が量だから見たくない、そちらを信用して代金だけ払うよ」
「ありがとうございます、商会にとって信用は第一ですからね。
それではお代金のほうですが、金貨1枚に銀貨6枚です。
端数は値引かせていただきました」
36万円相当の買い物だった、何を買うかは圭は聞いていない。
すべて村長とリーゼにお任せしたのだ。
これで村が豊かになるなら安い買い物だ。
「リーゼ、支払いお願い」
「はい、金貨1枚に銀貨6枚」
「確かに受け取りました、ご利用ありがとうございます。
そういえば、昨日とお召し物が違いますね。
そういえば、ブラウン服店からお荷物が届いておりました。
このドレスもそちらでお買い求めになられたのですか」
「ええ、店の名前ブラウンって言うのかあそこ、知らなかった」
「貴族様がお召しになられるような素敵なドレスですね、とてもお似合いですよ」
「ありがとう、普段は農婦の格好なんだけどね、オシャレしろってブルーレットが」
「似合うだろ? 可愛いだろ? リーゼだからな!」
親バカの気持ちがちょっと分かった圭。
だが可愛いと誉められたリーゼは顔を赤くしてニヤニヤと口元を緩める。
「可愛いって……/////////」
そんなリーゼの気持ちをつゆ知らず、圭は荷馬車の方へと歩く。
荷台を確認した圭が「げっ」っと声を上げた
荷台ビッシリの商品、それはつまりリーゼが入るスペースがないという事だ。
「リーゼ、荷台はダメだ、御者台に乗るしかなさそうだぞ」
「マジですかブルーレットさん」
「マジですよリーゼさん」
「怖いしおしりが痛くなるんですよブルーレットさん」
「我慢してくださいリーゼさん」
「ううー、我慢する」
「とりあえず、追加で布団買って座席に乗せるか、そして毛布にくるまれリーゼ」
「そうする、帰ったらご褒美ほしい」
「ご褒美?」
「添い寝に腕枕、あと寝るまで頭なでなでを要求する」
「段々要求がストレートになってきたな、お父さんちょっと怖いぞ」
「誰がお父さんやねん」
布団を追加で買い、圭の指示でドレスから普段着に着替えたリーゼは、毛布お化けと成り果て、御者台のヌシとして8時間君臨した。
昼に出て、村に着いた頃にはすっかり陽も暮れ、各家々に明かりが灯っている時間だった。
暗いので荷物を降ろすのは明日にした。
リーゼにキモイと評判の方法で、Lサイズを含むパンツ700枚を生成した。
800枚にしなかったのは、魔力切れを起こしてリーゼより先に寝たら、リーゼが怒ると思ったからだ。
そして圭はリーゼの要求通りに、添い寝と頭ナデナデをするのだった。
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