第6話 5月17日(月)


5月17日(月)


「ティッシュをくれ。」


 神代君のセリフに対し、安藤君がポケットから取り出したのはカエルだった。


「ケ〇ちゃん? あれ? ケ〇ちゃんって女の子じゃなかったっけ? こいつ、オスだよな? 服青いし。」


 確かに私の記憶にあるケ〇ちゃんは赤い服を着ている。まあ、青い服も持っているだけかもしれないけど。


 今日の稲葉さんは突っ伏したまま微動だにしなかったけど、


「それは、コ〇ちゃん。」


 という声が聞こえてきた。そのまま動かない。


 神代君がスマホで調べ始めた。鼻は大丈夫なのだろうかと思ったら、いつの間にか、安藤君からもらったティッシュを鼻に詰めていた。


「青い服はコ〇ちゃんだそうだ。さすがだな稲葉。」


 神代君はコ〇ちゃんを安藤君に返しながら言った。


「〇ロちゃんは背泳ぎが得意らしいぞ。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る