番外編5 「幼なじみ 死姦」④

 神を感じたとはいえ、所詮は人間。腹は減るし、性器は立つ。食べなきゃいけないし、処理しなければならない。神から人間への気持ちの移り変わりは早かった。一晩寝たら、もうリセットだ。


 性的に興奮しているときは人間どころか、ただの獣である。自分が気持ちよくなる為なら他のことはどうでもいい。どんなに非情で残酷な映像を見ても、かわいそうだとか思わない。


 黒いパソコンで、実際に人を殺してから死姦をする映像を見てもそうだ。ただ、気持ちよさそうだなあと思うだけ。犯す側の男と自分を重ねて、どのくらい気持ちいいんだろうと想像する。


 その度に、俺もやってみたくなった。この自分の手で女を殺し、その感覚を味わい、死体の隅々まで堪能して、穴という穴に物を入れたい。


 そして、黒いパソコンがあればそれは可能であろう――。


 だから、俺はやることに決めた――。


 自分の感覚が異常だとは思わない。性癖がズレているのは認めるが、理想を実現させようとするのは普通のことだ。叶えられる願いを叶えない奴なんていない。


 例えば、巨乳だとか貧乳だとか、高身長だとか低身長だとか、各々の理想とする女とエッチできる方法を知ることができたら、そりゃ誰だってやる。他にも女優とかアイドル、推しているあの子とできるなら多少の犠牲を払ってでもやるだろう。


 ただ、やり方が分からないし、警察に捕まるリスクがあるならやらないだけで。


 俺にとっての理想が、美人の死体だった。それだけの話だ……。


 やることは決めたけれど、じゃあ誰とやろう、誰を殺そうか、俺は考えた。何でも知ることができるなら、俺のやる気次第でけっこう誰でもいける気がする。それこそ女優やアイドルでも。


 黒いパソコンに殺して犯してもバレない方法を聞けばいいのだ。何千通りもあるやり方の中の最善策なら届く気がする。まあ、難しいだろうけど。有名な人ほど。


 そもそも俺に好きな有名人なんていないし、この線はない。無理して皆が知っている人を狙うより、町で見かけた美人を楽にやれるほうが興奮する……。


 こうやって考えているときに、まず最初に浮かぶ異性が俺にはいた。小学生の頃からずっと好きな幼なじみ。留年してしまって今は遠い人になってしまったけれど、今でも好きだ。俺の好きな人と言えば彼女しかいない。


 黒いパソコンを手に入れてから彼女が自分のことをどう思っている検索したこともあった。今付き合ってる彼氏がいるのかどうかも……。結果は彼氏はいるし、昔から俺のことは気持ち悪いと思っていたらしい。


 近くに住んでいるし、トラブルを起こすのが嫌だったから愛想よく接していたけれど、じろじろ見てくるのが気持ち悪くてしょうがなかったんだと。できれば、どこか遠くへ引っ越してほしい。こんな奴と家が近いことが周りに知られるのが嫌、そのくらい散々な印象だったと言うのだ。


 とどのつまり、留年しなかったとしても付き合うなんて無理だったのである。


 しかし、俺にとって彼女は異性として魅力的なままだった。むしろそれを聞いて興奮したかもしれない。「奪う」ことに興奮する俺は「奪われる」というシチュエーションにも興奮した。通称NTR、あれはいい。


 もう好きではなくなったけれど、交尾をする相手としてはより魅力的になった。だって気持ち悪いと思っている俺に殺されて、死んだ後も性処理に使われるとなると、彼女にとってどのくらい屈辱的なことだろうか。


 誰を狙うか考えようとしたけれど、本当はもう最初から決まっていた。


 死姦をするなら、絶対幼なじみのあの女。ちょっと想像しただけで頭がおかしくなってしまいそうなほど、脳があらゆる魅力的な発想を生産する。ぶっ殺してやりまくりたい。


 幼なじみは親のことも知っているから、可哀想なのを想像してよりそそる。娘を殺された親の気持ちも、俺の快感の材料になる。親とか恋人の前でやってやりたい。


 狙う相手は決まった。けれど緩やかな道のりではないだろう。有名人ほどではないと思うが、あの女が消えたとなると、俺にも疑いの目は届きうるだろう。俺は彼女が好きだと友達に話したこともある。


 考えるべきはそこである。黒いパソコンに聞く内容も、おすすめの女じゃなくて……。


「幼なじみ 死姦」

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