第26話「ウサギさん」


 ロティさんとポワレさんは、大型ショッピングモールにやって来ました。

 休日なので多くの人で賑わっています。

 二人は入口付近のフロアマップ前にいます。


「ポワレちゃん、どこに行けばエプロン売ってるんですか?」

「ここ」


 ポワレさんは、フロアマップの四階にある生活雑貨屋さんをさします。

 二人はエスカレーターで四階まで行きます。

 生活雑貨屋さんに辿り着きました。

 入り口からさっそくエプロンを着たマネキンや、中央にある机にはフライパンやお皿、調味料瓶などがオシャレに飾られています。


「おぉ……ポワレちゃん、見てください、壁側にあんなにいっぱい調理器具があります!」


 ロティさんは目を輝かせています。

 二人はエプロンそっちのけで、調理器具を見渡していきます。


「あれとかも便利、あれも、あれも良い」

「うんうん、ポワレちゃん、あの木のまな板もかわいいです」

「ほんとう。かわいいウサ」


 木のまな板には持ち手があり、ワンポイントでウサギさんがちょこんと佇んでいます。

 ポワレさんは、まな板の質感を触ったり持ち運びしやすいか試したりと楽しそうです。


「買う。ウサまな」

「いいなぁ。今度の旅行でも使えますね」

「ロティちゃんも、使っていいよ」

「やったぁ、ありがとうございます、あ、見てください、あのマグカップもかわいいです」

「ほんと」


 マグカップには、これまた例のウサギさんが丸木の上に座ってお茶を飲んでいます。色が二種類あって、ピンクのウサギさんと水色のウサギさんがいます。


「ポワレさん、お揃いで買いませんか?」

「うん。調理室で使える」

「はい! わたし旅行にも持っていきます!」


 二人は仲良くショッピングを楽しみました。


 現在は地下のフードコートでソフトクリームをペロペロと舐めています。


「おいしいですねぇ」

「うん、冷たくて、甘い」

「あれ、なにかわたし忘れているような……」


「?」ポワレさんは首を傾げます。


 二人は少しアイスを食べ続けます。

 はっと先にポワレさんが思い出したように目を見開きました。


「エプロン!?」

「ァッ!?」

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