第14話「シュウカク3」

 畑にはほうれん草が五列に連なっています。どれも綺麗な緑色です。


「根本は引っ張らず、赤い部分をエイッ」


 パチンと鋏で切ってほうれん草は収穫します。


「ソウデス。イイカンジデスヨ。ロティサン」

「はいっ、ありがとうございます」


 ロティさんはメキメキ働きます。

 収穫したほうれん草を、背中の籠にポイポイと入れていきます。


「なんか楽しいですね」


 ロティさんの隣で黙々と作業に勤しむポワレさん。


「収穫、楽しい」


 ポワレさんは一度作業の手を止めて、ポケットからハンカチを取り出しました。

 そのハンカチで、ロティさんの鼻を優しく拭いてあげます。


「ロティちゃん。土が」

「エヘヘ……ありがとうございます」

「うん」


 空には夕焼けが広がっています。

 カラスがのんびりと鳴いています。


「うわ虫、なんか芋虫みたいなんおるっ! マリ助けてぇええ」


 離れたところでジュレさんの悲鳴が聞こえてきます。

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