第11話 卵焼き

卵焼きがだいすきだ。

ふわふわしてて、柔らかくて、色にもほっこり。 


お出汁たっぷりの卵焼きも大好きだけど、少し甘めの卵焼きもたまらない。


今年の春、生まれて初めて大腸カメラの検査をした。

人間ドックで引っかかり、仕方ないとわかってはいたけど、検査が終わるまでそれはそれはナーバスだった私。


恐怖の塊だった検査。


下剤の恐怖、カメラの恐怖、結果の恐怖。

怖がりなので鎮静を使うことにしたけど、それもまた怖かった。


体質的になのか、腸がなかなかキレイになりきらず、他の人がどんどん検査を終えるなか検査に進めず大慌て。水分とって、歩いてと頑張ってはみる。


ただ、焦る気持ちとは裏腹に落ち着いていく私の腹痛……。


やっとの思いで検査の時には、体も心もヘロヘロ。


終わるまで本当に色々あったけど、なんとか無事に終わらすことができた時、心からホッとした。(結果、異常なし)


下剤の量が楽だったのと、先生、看護師さんが優しかったから乗り越えられた感じ。次の検査もきっとここ。


終わって病院から出たら、途端にお腹が空いた。

ただ、時間が時間だったのもあって開いてるお店が少ない。

それでも何か食べて帰りたかった。


“おうどんならいいかな”


そう思って入ったお店。

そこですぐに、繊維質の少なそうなうどんを選んで待つ。

待っている間にメニューを熟読。


そしたら私の目に飛び込んできた、だし巻き卵。


もうね、見たら、食べたくて食べたくて!

あのふわふわに癒されたくて仕方なくなってしまった。


さっき注文したばかりなのに、再度おねえさんを呼んでみる。


「すみません、この青唐の出汁巻1つください。」


そしてなぜか癒されるはずが、ピリリと刺激してくる青唐辛子のトッピング。


だって、食べたい……。青唐辛子のだし巻きなんて見たことない。

どんな味か気になる。


……好奇心に勝てなかった。


運ばれてきたおうどんは秒殺でお腹に収まり、初めて遭遇した青唐辛子の卵焼きは、私の心を鷲掴み。


絶対家で再現してやると心に誓って帰りましたとさ。


そして先日、青唐辛子の醤油漬けでチャレンジしてみたけれど何か少し違う……。


やはり生の青唐辛子なのか。

それとも、出汁の感じをもっと出すべきなのか……。


卵焼きの冒険は、なかなかクリアできない。

最高のだし巻き比率もまだまだ研究中。


青唐辛子のだし巻き、作られた方いませんか??






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