四.資血の台地
わたしの持ち主は、彼から彼の子へと移ることになった。
新たな持ち主は、資源確保の中心的な立場となり、わたしはそれを守る存在へと生まれ変わることになった。住ビトにとっては、こういうのを転生と表現すればいいのかな。
わたしは、無血の証である壊れ物から、生き血を啜る兵器へとなった。最もその部品の素材として
兵器の名は、ギシン。
住ビトの五倍程の体躯を有した強化外兵装具と呼ばれるもので、文字通り搭乗者を鉄鋼の巨人へと昇華させる代物だ。
そんな彼との出会いの象徴であるわたしをこんな形で手放し、子へと託したのはなぜだったんだろうか。彼の喪失を自認するためか。それとも無血という姿勢との決別の覚悟か。今でもそれは分からない。
ともかく、わたしは新たな持ち主を守る鎧となり、
いや、正確には彼の息子を名乗る人物だった。
ギシンの整備を含める現地運用の為の補充部隊の一人として現れた彼の息子は、まさに若かりし彼の生き写しのような姿をしていた。彼の息子は彼を引き継ぐように、再び持ち主の助けとなるために動き始めた。言っておくが、
交渉の結果、先遣の役を担った功績の元、
部隊の名は、
幻想小説に出てくる、生き血を喰らう神から取られた名だそうだ。
さらに持ち主は、各連盟国の兵士、専門家、技術者がひしめく
彼の息子の助力の元、国連内での優位性を保持したその采配に、持ち主は天位直系者として恥じぬ存在感を出すことができた。ただ以前と少し違うのは、彼とは違い彼の息子も、持ち主の右腕という立場からその存在を認知されるようになるところだろう。
やがて彼の息子も、彼と同じく持ち主に不思議な導きをするようになった。
彼の息子は提案してきた。
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