超能力者の青年・嗚呼琉が捜査協力で退行催眠を受け、五年前の“夢の世界”を行き来します。存在しないはずのガールフレンド、襲い来るメン・イン・ブラック、そして地球製UFOへ──現実と夢が連結して、物語はやがて宇宙規模のスケールへ膨らみます。導入のキャッチーさと、次々提示される異界の手触りが魅力です。
超能力者の少年、嗚呼琉の退行催眠と、現実の物語が交互に現れていく。 彼の見る夢はボーイミーツガールであり、アドベンチャーであり、オカルティックであり、そしてサイエンスフィクションだ。 やがて彼の夢は、現実の生と死を超えたはるか先へと到達し――――― 日本の60~70年代SFのような難解さと言葉の群れと、言葉にできない懐かしさに圧倒される一作でした。