海辺から来た少年が、砂漠の街に辿り着いた。
目的は、一本の失われた禁書。そこに記されたのは、世に並ぶものなき処世術。
知識は力なり。書に記された内容は、少年にとって計り知れない財産だった。
だから、こんな宝探しが平穏であるはずがない。
幸い、強靭な少女が傭兵としてついている。
危険に直面しても、少年は冷静でいられる。
…だが、少年にとって最大のトラブルは、どうやらその少女自身かもしれない?
一人では始められなかった冒険と、請け負ったからには背を向けられない矛盾。
狡猾さと謀略を旨とする、次々に現れる強敵たち。
折り合いの悪い二人は、あらゆる機緣と要因に導かれるようにして、
固い絆を結んでいく。
生死を分ける瞬間に幾度も直面する旅路は、
荒涼と見えた砂漠の中に、徐々に息吹をもたらす。
しかし、それに伴って待ち受けるのは、おそらく想像を超える大きな陰謀――?
レビューを書くに際して、この作品の魅力に関して書きたいことは多くあります。
中でも、この世界観。
世界観というのは、異世界モノを書く上で最も重要で、作家さんの力量が出るところだと思います。漫画と違って、小説は全てを言葉のみで表現しなければいけないので。
この作品は、それが凄い。
読み手に違和感を感じさせない自然な導入に、徐々に露わになる世界観。そして、それらを引き立てるアラビアンな小道具の数々。催眠の魔術(ここでは薬というべきでしょうか)に用いられる材料や、長旅用の保存食、そして情景までもが『アラビアンらしさ』を醸し出していて、読者を世界の中に吸い付ける効果を相乗させています。
お陰で、読み出したら止まらないのなんの。気付けば、最後まで見終わった時に「え、もう終わり?」と思う程に引き込まれていました。
語り口が軽妙で、すいすいと読み進められるのも魅力の一つです。一度読んでみて下さい。すぐに読み終わっちゃいますよ!
読むかどうか迷って、レビューを見ている方。安心して下さい。絶対に、この物語が嫌いな人はいません。この文面で作品の魅力を伝え切ることは不可能ですが、このレビューの著者が自信を持ってオススメできる作品です!是非とも見ていってください!そして同じく虜になりましょう!