第17話 あいてむぼっくすってことで
※3/30 16話を加筆しております。御覧頂いてなければそちらからどうぞ。
☆☆☆☆☆☆☆☆
僕がゆっくりと食べ進めて1/4ほど食べ終わった時に、部屋の扉が開いた。
ガチャ
「申し訳ございません、お坊ちゃま。少々立て込んでおりまして遅くなってしまいまし・・・・きゃぁぁぁぁぁぁ!」
ベッドに飛び散ったブドウの果汁(紫)
口や服についた果汁
見ようによっては惨殺された現場
あ、やべ。
僕の畑のデラウェアは紫の色素が強くてちょっと元の品種とは違うんじゃないかってくらい皮が紫。
それを一生懸命食べた結果、今の惨殺死体がいる現場のようなこの状況。
サラが入ってきたのにびっくりして若干固まってしまったのも良くなかったと思う。
いや、きっとサラはこの散々散らかしたベッドを見て洗濯や片付けするのが大変そうだから、叫んだんだ。そう思おう。
「お坊ちゃま!!生きて・・・生きておられますか!!」
違った。やっぱ死体だと思われてた。
駆け寄ってきたサラは僕を抱き上げ、生きていることを確認すると安堵し他に身体に異常が無いか確かめている。
ちょっ、くすぐったいんだけど。
「さーあ」
「はい。サラでございます」
なんでちょっと泣きそうになってるんだ?サラ
手がベトベトなのは無視して、サラの頬を撫でる。頭は手が届かないからな。
「やはり、お傍に控えていればよかったですね。誰かこの部屋に入ってくる方はいらっしゃいませんでしたか?」
誰か?誰も来なかったけど。
ちょっと様子がおかしいサラが気になりながらも、誰も来なかったという意味を込めて首を横に振った。
「そうでしたか。これからは私がこちらに常に控えるようになりましたので、何かございましたらお呼び下さい」
えぇ~。常には困るな。思う存分箱庭で遊べないじゃないか。
「それにしても、このブドウはどちらから・・・?」
僕の安全確認が終わったので、やっと現状が分かってきたみたいだ。
ベッドに広がる食べたブドウと残っている房。
テヘッ。
お腹が空いて大変だったんだからしょうがないよね。
もうサラには割とバレてるしいいかなと思って、ウインドウを操作しもう1房ブドウを出す。
「こ、これは・・・アイテムボックス?」
あれ?アイテムボックスなんてあるんだ。まあ、そう思っててもらった方がいっか。
「確かにアイテムボックスであればほとんど魔力を消費せずに物の出し入れは可能ですが、そもそも中身は一体どこから・・・?」
その辺は僕も喋って説明できないから、わかんないってことにしとくか。
首を傾げて分からないフリをしておこう。
「そうですよね。とにかく後程この件については奥様とご主人様に報告致しますが、ここを綺麗にしなければならないですね。お坊ちゃまもお風呂に入りましょう」
お!お風呂は有難い。お腹は落ち着いたけど、ベトベトで気持ち悪かったんだ。
じゃあ、お風呂へGo!!
箱庭でスローライフー現実世界でも魔法が使いたい僕の異世界日記ー たむら @ama1637
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