気持ちを伝えるだけで、相手を気に病ませてしまうような気がして言えなくなるのはきっと誰しもある筈。口に出したら今の関係が壊れてしまうのではないかと恐れる気持ちも、性質は少し違うかもしれないけれど多分似ているかなと思います。そう思えば、この話は『鳴けない蛍』ばかりなのかも。気に病む性格の村瀬も。
　そんな中で黒田さんだけが異質で、でも最近は彼女のような考え方こそ推奨されてる風潮なのは、……少しばかり腹立たしくもあるのですよねｗ
「鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」
　そういう迷いこそ愛おしくもあるわけで。

　村瀬からしてみれば、千尋とほたるが付き合い始めて安心していたのでしょうね。町を離れて終わるようですが、美沙都を含めたこの四人がまた飲みに行くような関係でいられたらと思います。