第16話 自分じゃなきゃ
「何が起きている! 言え!」
東郷先生の罵声を浴びても、ウィリアムは笑っていた。
「公魔に潜むヤタガラスは私だけではないんだ。今頃、同志たちの手によって飢えた怪物が会場で暴れているはずだ」ウィリアムは言った。「ケイを連れていくことは、計画の一環に過ぎないんだよ」
ウィリアムはそう言い終わると同時に、東郷先生の隙をついて影に潜り込んだ。
「鯨井、影に気をつけろ!」
ケイは言われた通り、自分自身と、照明の届かない範囲にできた影を見た。何もない。しかし、いつ出てくるかは分からない。注意深く、どこから何が出てきてもいいように、ケイは何度も自身の足元を確認した。
不意に顔を上げた瞬間、ケイは壁に伸びた東郷先生の影から、ウィリアムの手が出るのを見つけた。廊下に照明は二つあり、影は壁にもできていたのだ。
「先生!」
ケイの注意は、間に合わなかった。大きく発せられた声に反応したものの、先生の首は青白い腕に絞められてしまった。その身体は、今にも影に引きずり込まれそうになっている。
ケイは先生のもとに走り出そうとした。だが、先生はそれを制止した。
「鯨井、逃げろ!」東郷先生は力一杯叫んだ。「影の悪魔は、潜った場所から目視できない範囲には出られない。できるだけ遠くまで走れ!」
「でも、先生が」
落ち着きを失う心臓、震える手、全て覚えている。「助けられない」そんな思いが自分を責め立てる。
覚えてる。全部あの夏の日のようだ。ケイは上手く呼吸ができなくなってしまった。
「お前の力はーー命は、お前だけのものじゃない。お前がここで影に引きずり込まれれば、今後もっと大きな被害が生まれるはずだ。お前ができることはなんだ? 今すべきことはなんだ? よく自分で考えろ!」
ケイは立ち上がり、踵を返して走り始めた。背後には東郷先生がいる。あの日の記憶が蘇る。違う、あの日とは違う。考えろ、考えろ。ケイは拳を握り締め、走り続けた。
***
息が上がり、足の裏に痛みが走っても、ケイはひたすらに走った。長く続く廊下に足音が響く。
だが、ケイは異様なものが目に映って足を止めた。出口まで続く廊下を、ゲル状の物体が埋め尽くしていたのである。黒く半透明なその物体は不規則にうごめき、ケイのもとに勢いよく近づいてきている。
前進しなければならない。しかし、あれに呑み込まれるのも得策とは考えられない。どうするべきか思案し、ケイは辺りを見回した。そして、その眉間にはさらに深いシワができた。ゲル状の物体の中に、人の姿があったのだ。波のように動く物体の中で、その身体は大切そうに包まれている。
ーー食われてる?
直感的に、そんな言葉が浮かんだ。ゲル状の物体は不気味なだけではない。触れたら取り込まれてしまうのだ。とりあえず外に出なければ、先生や他の人々を救う方法は見出せない。
外に出るにはこの廊下の先にある出入り口か、等間隔に設置された窓を使うしかなかった。だが、窓ははめ殺しになっている。
どうするべきか。
ふと、ケイの目に消化器が映った。あることを思いついて、ケイは消化器を持ち上げた。そして、最も近い窓にそれを投げつけた。公認魔術師を志す人間としては、あまりにも泥臭い方法である。
すぐそこまでゲル状物質が迫り来る中で、ケイは窓によじ登った。振り向くと、自分がついさっきまでいた場所はすでにゲル状物質に侵食されている。ケイは背中に虫が這うような寒気を感じ、外に出た。
養成所に続く道に出ても、ケイはその緊張感を緩めることはできなかった。広い石畳の道には、先ほどのゲル状の物体が所々にいる。右を見ても、左を見ても、それらは視界に映った。どうやら音が聞こえないらしく、まだケイに気づいていないようだ。
道では、さっきよりも比較的小さなゲル状物質が、それぞれ合体したり分裂したりを繰り返している。
養成所の様子をうかがうために身を乗り出した瞬間、ケイはゲルに浮かぶ顔のようなシミと、目が合った気がした。ゲル状物質の動きが突然、俊敏になって合体していく。みるみるうちにゲルは巨大な塊となり、ケイに向かって突進を始めた。
焦りによって鼓動が速くなる。額には冷や汗がせめぎ合うように浮かび上がる。ケイはまた走り始めた。直線の道をひたすら走り、怪物に追いつかれそうになったタイミングで養成所の門が見えた。足が痛むのを堪えて前に進み、ケイは門に飛び込んだ。流動的なゲル状物質は勢いを殺せずに、そのまま石畳の道を流れていく。
危機を回避し、ケイは肩を撫で下ろした。そしてそのまま、レンガでできた養成所の外壁に背中を寄せかけた。しかし目の前に広がる光景に、ケイは大きなため息を吐いた。養成所内にまでも、ゲル状の物体は進行していたのだ。
「ケイ」小さな声で、誰かが言った。「ケイ、隠れろ」
声がする茂みの方を見ると、そこにはトウマがいた。ケイは一度辺りを確認して、トウマのもとへ向かう。
茂みの陰に入ると、トウマの背後に南さんがいた。ケイは見慣れないツーショットに驚きを隠せなかった。
だが、今はそんなことはどうでもいい。
「なあ、何が起きたんだよ」
ケイはそう尋ねた。
「試験の途中であの怪物が召喚されて、会場が呑み込まれた。そこら辺に転がってるのは母体が移動するときにはぐれたやつらだと思う」
トウマは、冷静な口振りでそう返す。
ーーはぐれたやつ?
ケイは、道に分布したゲル状物質を見た。どうやらやつらは移動する際に少しずつ身が削れてしまうようだが、今自分が見ているのは削れて分裂した側なのである。消しゴムでいうところの、消しカスに過ぎないのだ。つまり、もっと大きな親玉がいるのである。
もしそれに見つかったら、一巻の終わりだ。
「あれってなんなんだよ?」
ケイは茂みの向こうにいる、ゲル状物質に向けてアゴをしゃくった。
「たぶんムクロっていう、怨霊の仲間だ。霊とか負の感情が溜まると、ああいう怪物になるらしい」
「他の人たちは?」
「逃げた人もいるが、会場の中に取り残された人もいる」
ケイの頭に会場で見た、ムクロに呑み込まれた人の姿が浮かんだ。
「もし、あの怪物に襲われたらどうなる?」
「魂を吸収される」
魂を吸収されることは、死を意味する。それくらいのことはケイでも知っていた。
「これから、どうするんだよ?」
ケイは二人に尋ねた。
「ここにいた方がいいと思う」
トウマの背後から、南さんが言った。
「トウマは?」
「状況が不明瞭過ぎる。ここに動かないでいるのが命のためだろ」
みんなを助けなければならない。
そんな思いがケイの中で募った。今自分ができることはなんだ? 逃げることか? ここで助けを待つことか? 東郷先生の姿が思い浮かび、ケイは頭を抱えた。さっきはヤタガラスに攫われることを危惧して、逃げる道を選んだ。だが今は敵が違う。それでも、ここで隠れているべきなのか?
「ケイ、お前もそうするべきだ」
「なあ、これって時間が経ったら解決するのか?」
トウマの説得に、ケイは質問を返した。
「何も分からない。分からない以上は、ここで待つのが最善だろ」
ーーお前ができることはなんだ? 今すべきことはなんだ?
東郷先生の言葉がケイを責め立てるようだった。
「ここで誰かの助けを待つのが、最善なのか?」
トウマは何かを察し、ため息を吐いた。
「やめろよ、わざわざ自分から危険な目に遭う必要はないだろ」
「俺は」ケイの声は、微かに震えた。「その危険な目に遭ってる人がいるなら、助けたい」
「作戦は?」
「まだ」
「は? 自分が言ってること理解してるのか?」
トウマはケイを睨んだ。
「これまで危険な目に遭うたびに、誰かに助けられてきた。でも、誰かに助けられたり逃げたりしたまま、公魔になんてなれる気がしない。俺は人を助けたい。魔術師として、人として、今できる限りのことをしたいんだ」
トウマの目力に負けじと、ケイは相手を見つめた。この1年間、二人はさまざまな時間をともにしてきた。
互いの考えが平行線になることや、上手く意思疎通ができないことは度々あった。だが、これほどに正面から向き合い、ぶつかり合うことはなかった。
しばらくの沈黙を経て、トウマはもう一度ため息を吐いた。そしてケイから目を逸らす。
「作戦考えるくらいなら、協力してやる」
トウマの言葉を聞いて、ケイは笑った。
***
現在、生存確認ができているのは三名のみ。作戦参加者はケイ、トウマに加え、南さんも協力してくれることになった。敵の数は不明。敵の情報で判明していることは、ムクロは多少の負荷がかかれば消滅することであった。
プランA、地道に倒す。この作戦では生存者を見つけ次第、救助することができる。発案者はケイ。
「駄目だ。そのうちムクロが集まって、呑み込まれるのがオチだろ」
トウマにより却下された。
プランB、茂みに誘い込んで一匹ずつ倒す。この場合には、群れとなったムクロに襲われないという利点がある。発案者はケイ。
「時間がかかり過ぎる。そんなことしてたら、どんどん人は死んでくよ」
再度トウマにより却下された。
作戦を立てるにあたり、加味しなければならない条件がいくつかあった。
第一に、敵に呑み込まれる危険性に晒されてはならない。
第二に、人命救助を前提とするため、時間の消費は最低限に抑えなければならない。
第三に、生存者を自分たちの手で傷つけてはならない。つまり、無差別な攻撃はできないのだ。それらに加えて、机上の空論ではなく自分たちでできる計画を考えなければならない。
「ねえ、こんなのは?」
南さんが言った。
プランC、落雷によってムクロを上空から倒す。この作戦は第一条件である危険性と、第二条件である時間の問題をクリアしていた。だが、他の課題は残されている。
「それじゃあ、無差別に地上の生物を殺すことになる」トウマは却下しようとした。「そもそも、そんな強力な魔術を誰が使える?」
「できるでしょ?」
トウマの質問に答える代わりに、南さんはケイにそう問いかけた。
南さんの瞳がケイを捕らえる。ケイはその視線から逃れるように、足元を見つめた。
自信はない。しかし無色の奇術師という名を背負っている以上、自分にその能力がないとは断言できない。ケイの中で、感情と理性的な側面がせめぎ合って葛藤を繰り返す。
ーーお前ができることはなんだ? 今すべきことはなんだ?
何度も反芻していた先生の言葉が、突然頭の中から消えた。消えた理由は明白であった。もう、その答えを探す必要はないのだ。
「やる。やってみせる」
ケイの言葉に、南さんは微笑んだ。
***
作戦は単純明快である。まず1号館へと向かう。その理由は雷を呼び出しやすくするために高い場所へ上る必要があることと、屋上には魔術の力を増幅させる、魔法陣が描かれた旗が揺れているからだ。
1号館の入り口にはムクロが集まっており、正面から入ることは期待できない。そのため、比較的ムクロの数が少ない図書館から1号館に入る算段となった。ケイ以外の二人はサポート役に徹し、適宜状況に合わせて動く。そして、ケイは屋上で旗を用いて落雷を呼ぶ作戦である。
三人は茂みから出て、図書室へと向かった。道中、極力見つからないように努めたものの、一匹に見つかってしまった。三人を見つけたムクロは合体し、図書室前に来る頃には人の身長を凌駕する大きさへと成長していた。
「どうする?」
トウマは走りながら叫んだ。図書室はもう目前に迫っている。運良く大きな両開きのドアは開いていたが、それはムクロにとっても好都合であった。
「あいつ、直線じゃなきゃ速く動けないはずだ!」
ケイは先ほど対峙したムクロを思い出し、そう叫んだ。
「でもどこで曲がるの?」
南さんが、息も絶え絶えにそう尋ねた。
「策はある」図書館に入った瞬間、トウマは言った。「検索、魔術!」
トウマの言葉に呼応し、どこからともなく大量の本が飛んできた。そして、トウマはそれによじ登る。
残された二人も、めいめいに適当な単語を検索して足場を呼び出した。ケイの足が地面から離れた瞬間、ムクロはダムが決壊したような勢いで図書館に流れ込み、床を覆い尽くしてしまった。
一行は急死に一生を得た思いであったが、まだ試練は待ち受けていた。今現在、三人は1階の空中にいる。本来であれば1階のドアから1号館の階段に向かうことができるのだが、それもムクロに飲み込まれてしまったのだ。そのため、図書館の2階から1号館に入らなければならない。幸いにも図書館は吹き抜けになっており、どうにか階段を用いずに2階に上ることはできる。
「検索、悪魔」
トウマはそう言って、より高い位置に本を呼び出した。そして検索結果で出た中で、比較的大きく分厚いものに乗る。階段が塞がれている今、こうするしか他はなかった。
「検索、呪術」
ケイもそう言い、新たな本の上に乗った。
しばらく三人はそれを続け、少しずつ2階に向かった。トウマが最初に辿り着き、その次に南さんが安地で腰を下ろした。
ケイは焦りと眼下のムクロに対する恐怖から、足がすくんだ。図書館の床中に広がったムクロは、ただそこで獲物が落ちてくるのを待っている。その中で薄らと浮かぶ人面のような白いシミが、束になってケイを見つめているようだった。
あと一冊で2階の手すりに手が届くようになった際、ケイは足を滑らした。それは一瞬のことであった。目の前にあったトウマや南さんの顔が消え、いつの間にかムクロのシミと目が合っていたのだ。何か検索しようにも、頭が混乱して何も思い浮かばない。
まずい、飲み込まれる。
「検索」ケイは叫んだ。「入間エイスケ!」
咄嗟に浮かんだのは、父の名前であった。以前に検索して本が数冊出てきた記憶を、危機一髪のところで思い出したのである。皮肉にも父の不名誉な冤罪を記した本に運ばれて、ケイは2階に到達した。
1号館の全てを繋ぐ階段に辿り着いても、気を抜くことはできなかった。1階にはムクロがおり、階段を伝って2階へと上りつつあったのだ。
「二人は先に行ってて」
南さんが、眼下のムクロを見てそう言った。
「なんで?」
「このまま上っても追いつかれちゃう。誰かがここで止めておかなきゃ」
ケイは首を横に振った。
「でもーー」
「行って」南さんはケイを見た。「大丈夫だから」
先に階段を上り始めたのは、トウマであった。木製の階段を踏みしめる足音に、ケイは焦燥感を覚える。今自分がやらなければならないことは何か。自分にそう問いかけ、ケイは足を進め始めた。
呼吸が困難になっても、足が上がらなくなっても、ケイは階段を上り続けた。この道に至るまでに、多くの人を置いてきてしまった。もう止まることはできないのだ。
永遠とも思える、終わりの見えない戦いは長く続いた。空を切り裂くように建った1号館の屋上に上るのだから、疲れを感じるのに無理はなかった。疲労により意識が朦朧とし、足の裏の感覚が麻痺する。息は口を開けなければできないほどに上がり、心臓は胸を突き破りそうなほどに鼓動している。
それでも、進まなければならなかった。これはケイ自身が選んだ道であり、誰かにあてがわれたものではなかったからだ。
足を何度打って、あざがいくつできても、ケイは進み続けた。
「あと少しだ」
トウマは絞り出したような声で、ケイを励ました。
足だけでは体が支えられず、手をついてでも進んだ。そして、やっと二人は屋上に出るドアまで到達した。息を吐く間も惜しんで、ケイはすぐさまそのドアを開いた。
屋上に出ると突風に襲われ、二人はよろめいた。湿っぽい風が、魔法陣の描かれた旗を弄んでいる。ケイは旗の下を見て、目を疑った。そこには先客がいたのだ。
「ヤタガラスの構成員だ。会場にいた」
トウマは風に声がかき消されないように叫んだ。
構成員はこちらに気づき、腰を上げた。その冷たい目はケイをまっすぐに見つめる。トウマは自身の周りに水を集めて、臨戦態勢に入った。
「お前は旗のことだけ考えろ」
「分かってる」
ケイのその言葉が終わるのを待たずして、ヤタガラスの構成員は影に潜った。ここで捕まれば、これまで積み重ねた努力も、人からもらったチャンスも、全て無碍にしてしまう。二人は走り出した。
共倒れを避けるために、互いに距離を置く。そして、自分の足元から伸びる影を見つめた。
ーー来る。
自身の影から相手の指先が覗き、ケイは目一杯跳んだ。その体は地面から離れ、影はその根源から隔絶された。青白い手は空を掻いた。たった一瞬のことであった。だがトウマはそれを見逃さず、相手の腕を掴んで引っ張り上げた。
ケイは脇目も振らずに走り続けた。そして、目的の旗を両手で握った。金属製の持ち手から冷温が伝わり、掌で痛みへと変換される。それでもケイは、旗を握りしめて目を瞑った。疲労から膝が笑い、集中力が持たない。ケイはひたすらに力の流れを探した。
万物の力は、常にどこにでも流れている。ただその力が微弱なために実際には炎や水、音のような実体を持つことができないだけなのだ。だが、その未熟な力を信じて自身の力を託すことこそが、魔術である。
ケイは今、多くの人の思いを背負っている。まだ未熟で無力だが、自分にその全てを託してくれている人がいる。これまで、ケイは無色の奇術師であることに苦しみ、頭を抱えていた。しかし、今は違う。無色の奇術師だからこそ、できることがあるのだ。
今この力を受け入れずに、いつ受け入れるというのだろうか。
ーー見つけた。
暗闇の中に、一筋の力強い龍脈が煌めいた。ケイは自身の全身全霊の力をそこに注いだ。その願いから旗を持つ手には力が入る。太陽を覆い隠していた雲はよりその厚みを増し、雨を降らし始める。水滴が額に落ち、目に侵入しようとしてもケイは気にしなかった。ただ一心に、雷が落ちることを願った。
そして、その時はやってきた。突然黒々とした雲の一点に光が灯り、次の瞬間には光の矢が筋を残しながら、曇天を切り裂いた。
旗に描かれた魔法陣は輝きを放ち、一筋の閃光を何本にも切り分ける。分岐した雷はそれぞれ地に落ちると、龍の如くその体はをうねらせながら前進する。その雷一本一本が自身の四肢の一部であるように感じられ、ケイは何本もの雷を飼い慣らし、狙った相手のみを貫かせてみせた。
室内にもその煌めく龍は入り込み、怪物を食い尽くす。それはものの数秒の出来事であった。人々を襲う怪物は最早いなくなり、獲物を失った龍は自然へと還った。
群れとなり密集していた雲は、エネルギーを吸収されたことから解け始めた。能天気なほどに明るい空模様が、雲の隙間からこちらを覗いている。疲労と安心からケイは意識を失った。
雲の間から放射状に差す太陽光は、1号館の屋上を眩しいほどに照らしていた。だがその屋上には、ついさっきまでいた人間は誰一人としていなかった。
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