第25話:白い牙
ホテルに戻ったのはいいけど、体が重い、こんな事なかったのにどうしたんだろう....
「コンッコンッ」
誰だろう、夜咲さんかな?
「早乙女、居るか?」
この声は宇崎先輩か
「どうぞ!」
どうしたんだろう
「早乙女、もう飯の時間だけどお前は来ないのか?どうした、体調でも悪いのか?」
「あ、いえ、夜咲さんの活躍が凄くて準備運動もしてないのでお腹が減らなくて」
心配かけても悪しいな....
「そうか、もう一つ話があるんだが....」
「どうしたんですか?」
何だろう、話って....
「前も言ったが、お前を無能力者と罵って悪かった、でもこの大会はお前が必要だ、だから俺の事は恨んでてもいい、だから....」
「恨んでなんかいません!確かに言われましたが、それは事実ですし、僕の力がどれほど通用するか分からないのに、僕を副将に置いてくれた宇崎先輩を信じます!!」
なんか、本音をこれだけはっきり言うのって久しぶりな気がするな
「ふっ、そうか、やはりお前は熱い男だな、休むのも良いが、食事はしっかり取れよ?明日も試合はあるからな、それじゃあまたな」
「はい、また明日お願いします。」
宇崎先輩ってやっぱり律儀だししっかりした人だよな〜
「ウッ...クッ....!!」
なんだ...またあの胸の痛みが.....
「ハァッハァッ....」
やっぱりおかしい、南雲さんと話したあの時から、僕は何をされたんだ....
「今日はもう休もう」
翌日、予定通り次の対戦校、白牙学園と戦う時が来た。
「よーし、お前ら、今日は遂に奴らとの勝負だ、奴らには合宿で世話になったやつも居るだろう、今日はその借りを返すチャンスだ」
白牙といえば澪音さん、夜咲さんや他の人が弱いだなんて思ってないけど、きっと彼女は僕と戦うことになる。
「それでは対抗戦2日目〜!!!今日戦うのはー!白牙学園とー!昨日先鋒一人で完勝した黒城学園です!早速初めて行きましょう〜!!」
やっぱり少し緊張するな、でも昨日の体がだるい感じはもう大丈夫そうだし、思いっきり戦おう。
「では最初は〜!白牙学園先鋒!薬師寺選手VS黒城学園先鋒!夜咲選手〜!!」
夜咲さん、彼女はきっと勝てる、だけどあの薬師寺って人、何かありそうな....
「それでは対抗戦2日目!開始です!!!」
頑張ってくれ、夜咲さん。
「夜咲とか言ったな?お前一年なんだって?俺様がどの程度か確かめてやろう」
「あら、白牙の方に実力を測ってもらえるなんて光栄ね、だけど貴方じゃ役不足よ」
さすが夜咲さん、年上でもあの挑発....
「ふっ、口も達者なようだな、ほら早くお前の技を見せてみろ、どこからでもいいぞ?」
「それじゃあ行かせてもうわ、フリージング・スピアレイン!!!」
また新しい技?!しかもあの技、避けれない!
「パンッ!!!」
な、何があったんだ?夜咲さんが技を繰り出したはずなのに、あの人が手を叩いた瞬間、消えた....?
「それじゃ徳が足りんな一年、そんな煩悩ばかりの攻撃じゃ俺様には届かんよ」
「みたいね」
何なんだあの人の異能は、まるで見えないし一瞬だった。
「それじゃあ今度は俺様から行こうか?そんじゃ黒城一年よ、お前の防御で防いでみろ」
「チッ...ブリザード・ウォール....」
夜咲さんの氷の障壁、あの厚さならさすがに...
「・ホウレンゲキョウ」
「パンッ!!」
また手を叩いた....
「ビシッ!ビシビシ....」
嘘だろ....あの防御をやぶるのか?!
「うーん、なかなか良かったがまだ柔いな」
「ブリザード・スピア!!!」
ダメだ夜咲さん、冷静さを完全に失ってる
「パンッ!パンッ!パンッ....」
「つまらん、もう終わらせるとするか」
まるできいてない....夜咲さんは魔力も体力ももう底をつきそうだって言うのに....
「ナム・ハチマンダイ。」
「ブリザード・ウォー....キャアッ!!!!」
よ、夜咲さんが....何だ今の、何もしてないように見えたのに気付いたらやられていた
「しょ、勝者薬師寺選手〜!!!昨日一人で圧勝していた夜咲選手を一方的に破りました〜!」
分からない、あの人の異能は何なんだ....
「ごめんなさい....」
「良いんだ夜咲さん、今は休んで!」
もしこの後、先輩たちが負けて僕に回ってきたらどうするんだ、あの人を倒すには....
「さぁ!どんどん参りましょう!次は白牙学園先鋒薬師寺選手VS黒城学園次鋒、近藤選手です!」
その後、僕の悪い予感は当たり、次鋒近藤先輩、中堅、鶴見先輩も破れた。
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