私、女神になりました♪~MP頼りのステータスで敵をボコボコに!~

翡翠まな

失恋。ゲームが始まる。

『ごめん、と付き合えない』


『そ、そんなぁぁぁ……』


 中学校の卒業式の終わった後。

 私は、幼なじみの彼を呼び出して告白した。


 結果は、あえなく撃沈げきちんだった。




ーーー約2ヵ月後。


 ここは、華吹女学園はなぶきじょがくえん


 高堂たかどう 美代みよは、窓際の席で頬杖ほおづえをして黄昏たそがれている。


『はぁ…』


 今頃、高校で好きな子とイチャイチャしていたのかもしれない……。


 うん。してたかもしれない。


『あー、ま~た。美代が遠くを見ている!』


 あーあ。世界が滅びないかしら。


 そういえば、地球滅亡の日って今日よね。


『あれ?気づいてない?』

『美代~、私よぉ〜』 


 なんで性別は男と女で別れたのかしら。


 なんでかしらね…。


『おーい!美代ー!……キスするぞ?』


『ーーーな!?何、バカなこと言ってるの!!?』


『惜しっ!あと少しだったのに……』


 露骨に、がっかりしてるな……こいつ。


 このキス魔・女好き・歩くスピーカー、私の親友の名前は、神城かみしろ 鈴奈すずな

 彼女は、私が失恋して軽い鬱になって家にこもっていた時期にずっと私に付きってくれた、かけがえのない親友。


 今だって、このお嬢様学園に入れたのは鈴奈のおかげ。


『鈴奈は今日もうるさい』


『失礼な!?いつも元気と言いなさい!』


『小腹がいてるなら、これあげるからさ』


『私はエサを求めて鳴く犬!?』


『はい、ポッキーならあるよ?』


 私は食べていたお菓子の箱の中身を見せる。


のがいいな~?』


 言うが早いか、鈴奈は私のくわえたポッキーのはしから食べ始めやがった。


『ちょっ、なんでこっちを食べるのよ!』


 周りのお嬢様方が『『『『キャ~♪』』』と騒ぐので顔が赤くなってると思う。


 テンポ良く食べ進められているのに気づいてあわてて咥えていたポッキーを口元で折ると、鈴奈の顔は目の前まで近付いていた。


『危なっ!?何しようとしてるのよ!?』


『何って……キスだよ?』


『何で!?』


『ん〜……そんなことより、次の土曜日に遊ばないって言ってたの、聞こえてたよね?』


『そんなことじゃ『ゲームしよう?ゲーム』…えっ……ゲーム?』


 美代は失恋してからゲームから遠ざかっていた。


『もう…あれから、2ヶ月もっているんだし……そうね』


『そうだよ!2ヵ月もゲームしてないんだよ私達は!自称ゲーマーなのに!』


 鈴奈は『これは、由々ゆゆしき問題であるよ!』と言う。


 私もゲームにれてない期間が、こんなに続くとは思っていなかったけどね。


 別にゲームが嫌いになったわけではないから、やろうと思えばやれたけど、なんとなく…やる気が出なかったっていうか、切っ掛けがなかったっていうか。


『何を遊ぶの?』


『フルダイブ型VRゲームの最新作が出たんだよ!』

『昨日、届いたんだ~』


『昨日?フルダイブ型VR…最新作?……まさかっ!』


『そう、【-Rilly-ライリー】が戻ってきたんだ!』


『な、何ですってぇっ!?』


 こうして、ふたたび、私達のゲーム生活が幕をけた。

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