「エッセイ」と謳いながらも「色々な文体で書き殴っている」という前書きの通り、堅さのない自由なスタイルが本作の持ち味です。レビューで「喋り漫才のようなテンポ」と評されている通り、賞味期限の話や卵かけご飯の入れ方といった些細な日常ネタを、軽快な掛け合いのように展開していく語り口にクセになる面白さがあります。
57話という長期連載の中で、マンガやアニメの感想から国内外の時事問題まで話題の幅が広がっていくのも本作らしいところで、笑いの中にチクリとした視点を挟み込むバランス感覚に好感を持ちました。健康診断の結果や睡眠障害といった作者自身の近況も、深刻にならず軽やかに綴られている点に、長く書き続けてきた人らしい余裕を感じます。
肩の力を抜いて気軽に読める、と紹介されている通り、ちょっとした息抜きや筆休みに開きたくなる一作です。