第5話 城へ



 服屋でミーナと自分の服を店員さんにお任せで見繕って貰い購入した。すぐに着替えたが……。ミーナが可愛い!


 「早く馬車へ」

迎えの騎士さんが急かすからそのまま乗り込む。城かー、面接会場に行くぐらい緊張する。行きたくねえ。


「着きましたね……。」

ミーナもなんだか不安そうだ。気づいたら王の前まで案内されていた。40歳くらいか?にしては若い。


 「ふむ、若いな」

 王様が重々しく言った。いや、お前もな?


 「此度のドラゴン討伐、感謝する。褒美を取らせよう。何か欲しい物はあるか?」


 欲しい物か……。生きる為に必要な物は何か?このまま貴族の屋敷にお世話になる訳には行かないしなー。家と金があればなんとかなるか。


 「屋敷とその管理の税金免除、あと金貨を希望します。」


 そう言うと王様が頷いた。


「良かろう。金貨は5000枚包もう。これからの活躍に期待する。」


 流石、王様!これなら学園行かなくても生きていけるのでは?その前にお世話になっているセレナ様達に報告しないとな。あ、学園休んだし馬も用意出来て無いし手紙の件どうなるんだろう……素直に謝ろう!


 王様から王都にある屋敷の譲渡証明書と金貨をば受け取った。補修や清掃が終わるのはひと月後になるそうだ。


「さて、行くか。ブルーマイン家に」


「え〜!」


「そこで住み込みの仕事をしている。クビになって無ければ。」


「何したんですか?」


「うん、まぁ、なんやかんやあって馬が必要になって稼ぐ為に外に出たらミーナと出逢いドラゴンを倒す事に。」


「なるほど!」


馬車に揺られてブルーマイン家に到着。もう夕方だ。屋敷のメイドさんにセレナ様を呼んで貰う様に伝えて談話室に案内される。まずは謝って本日の出来事を伝えてこれからの相談だな。クビになって無ければ。足音が聞こえ『ガチャ』と扉が開いた。


 



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

欲望の転移者 降花 @huruka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ