第10話 Eternal night

ただひとつ ほしかったのは光

この身に巣くう 闇をうち払う光


他の誰を傷つけてもかまわない

それで 光を手に入れられるのなら


そう思っていた


孤独の闇を彷徨い続けた 生まれ落ちた瞬間からずっと

与えられる物など何一つなかった

欲しいなら奪え そう教え込まれた


周りにあるのは闇 心を犯し続ける冷酷な闇

気づかない振りをしていた この身が悲鳴を上げる声にさえ


あの光を知るまでは


凍った涙を溶かす微笑み はじめて知ったぬくもり

与えられることよりも与えたいと

他の何もいらない そう祈り続けた


この世界に 奪えない物があると

オレを打ちのめすように 光は笑う


闇の冷たさしか知らなかったオレを

光は包む 守り育むように


神よ どうかオレを罰してくれ

愚かな夢を抱いたオレを


光を手にすることなど 出来るはずもないのに


神よ どうかオレを裁いてくれ

それでこの罪が贖えるのなら


あの光を手に入れられるのなら 何を失ってもかまわない

最初から何も持っていないオレだけれど


ただひとつ ほしかったのは光

この身に巣くう 闇をうち払う光


それは貴女の 柔らかな微笑み――。

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