面白い
断章を重ねるように、史実の記録と物語の情景が交差してゆく。リラダン総長やヴァレッタ総長といった史実の名が並ぶ一方で、吟遊詩人や魔物がひょっこり顔を出し、時に血なまぐさい戦場も、時にお菓子を頬張る微笑ましい場面も現れる。そこには筋道だった起承転結よりも、歴史と物語の切片を重ねた断章詩のような読み味がある。断片的でありながら、不思議と漂う余韻が残る――そんな一作でした。
似た名前とカタカナが多く西洋史が苦手な自分でもスラスラ読み始められました。テレビなどでも取り上げられ、今は素敵な観光名所となっているマルタ島での戦いが読め、面白く勉強になります!今では考えられない当時の常識が生き生きと描かれ、とても臨場感があると感じました。
ストーリーの舞台や展開は西洋史に沿ったものなのですが、そこにフィクションのドラマパートが絡む歴史ものです。実際にこの場に立ち合った人がいたらこんな感じだったのかな、という想像力を刺激する作品で、そこから西洋史の勉強に入るもよし、な作品でうs。