何もかもが完璧な調和を奏でる光の世界の魂をもつ、『光の来訪者』。いくつもの属性の精霊たちをいとも容易く操り、巨大なドラゴンを従え、人の魂の色彩を見抜く神眼を持つその麗しき少女の名は、レイフ。
好き勝手暴れる全属性の精霊たちを城に放ち、光の馬が牽く戦車を爆走させて魔王の眼前にカチコミを決めた幼女は、震え上がる魔王と死霊たちを睥睨してこう言い放つ。
「出てこい! 出汁ガラにしてやっからよ!!」
ま、ま、魔王様!お逃げになってぇーーー!?!?
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作者様の名作ファンタジー『失われた歌』のスピンオフ。といっても時系列的にはこちらが過去の物語になるので、こちらから読むのもおすすめです。どちらのパターンから入っても味わい深い感動が待っています。
『光の来訪者』である彼女は幼い頃から国の注目を浴び、見張られつつも戦への参戦などが期待されてしまう。なんと悲劇なヒロイン……と言えたらよかった(?)のですが、まあその強いこと(笑)。剛毅な性格も相まってどんどん戦績を上げる彼女に向けられる目は、神聖なものを見る尊敬と畏敬に溢れています。それが少女は気に入らない。
そんな中、国の王子であるアールトと邂逅を果たすレイフ。人の価値を地位や名誉ではなく魂の美しさで判断するレイフは、彼の類まれなる土の魂の美しさに惹かれます。アールトもまたレイフに惚れ込み、少年とは思えないスパダリぶりで彼女にアタックをかけます。戦車をゴリゴリに乗りこなす系の少女がこんな小っ恥ずかしいことをされてデレるはずがありません。彼女はさらに意固地に、さらにツンツンしてアールトを遠ざけようとします。
ですが運命の糸は『守護者』であれそう簡単にぶった斬れるものではなく。自由と引き換えに、彼女はついにその決断を下します。それでシンデレラエンドにはならないのがこの物語の面白いところ。
やんごとなき身分となっても、レイフはこの世界の守護者。調和とはほど遠い、醜い争いばかりのこの世界──それでも彼女はすべてを深く愛したがゆえに、今日も光の戦車を駆るのです。
子供から大人へ、そして守護者であると共にひとりの女へと成長していくレイフ。最初は魔王でさえ慄くほどの強さ「だけ」しか持っていなかった彼女が獲得するのは人を愛する喜び、それ故の苦しさ。国で一番『普通の恋愛』ができない立場の男を愛し、愛される苦悩がリアリティを持って描かれています。何度も泣いた…!
バトルとロマンス、そしてファンタジーがこれでもかと詰まった、文字通り魂を震えさせる美しい物語。身分ある男女の恋愛好きさん、そして精霊さんたちにお世話されたい人外好きさんたちはぜひどうぞ!
あなたの魂は何色?
そしてその魂が真に求める魂に出会ってしまった時──どうしますか?
レイフお嬢様の光の戦車に飛び乗って、答えを探す旅に出発です♡
(※なお戦車は一人乗り用/激しく揺れます)