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妖窯譚

妖窯譚

ささはらゆき

おすすめレビュー

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★★★
★44
16人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 夢見里 龍
    604件の
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    ★★★ Excellent!!!

    男の《情念》は艶やかに燃ゆ

    衆道に耽る殿に十三歳の頃から寵愛を享け、後に棄てられた白皙の藩士 丙七郎は、殿にたいする愛増を日毎に募らせていた。しかしながらそれはやり場のないものだ。殿はすでに他の美少年たちをはべらせている。殿の寵愛は遠い過去のものとなり、殿に刻まれた傷だけがいま、丙七郎を苛めていた。
    そんなとき、彼は奇妙な南蛮陶物を扱う裏店に誘われる。
    殿が傾倒しているのは衆道と「焼物」――移ろいゆくひとの身と、不変なる静物。そのふたつが交錯するとき、彼の愛憎は情念の火となって燃えあがる。

    女の情念とは昔からよく云います。
    ですが男の情念と云わないのは何故でしょうか。男にも愛があり、憎があるかぎり、情念があらぬはずもないというのに。
    著者さまの雅趣に富んだ筆致で描きだされた男の情念。実に凄絶で美しく、悲しい。確とこの瞳に焼きつけさせていただきました。

    • 2021年1月10日 11:23