第46話 スフレVSユーワ
禍々しい魔力が3人に襲いかかる。
「もう、ダメだ・・・」デービットは夢中で2人を庇おうと魔力の前に飛び出した。その時、どこからかヒヒ~ンと獣の鳴き声がすると3人の前にユニコーンが姿を見せた。3人はユニコーンに作り出された障壁によって守られた。
そこへ病院内から一人の女性があくびをしながら出て来た。
「ふわぁあ・・・騒がしいから起きちゃったじゃない・・・あれ・・・そこに居るのはシフォンちゃんじゃない。」
その女性はシフォンを見つけるとツカツカと歩み寄ると、その異変に気付く。
シフォンは錯乱状態から激しく呼吸を繰り返す過呼吸状態になっていて、
その女性が近くにいる事もその声にも気づかなかった。
「これは、困りましたねぇ・・・さあ、どうしましょう・・・う~ん、こう言う時はあれしかないかぁ・・・しっかりなさい!」
女性は一呼吸置くとシフォンにビンタをかますとパッシーンと良い音が響いた。
「イッタ!・・・・・・」
シフォンは頬を押さえながら我に返った。
「シフォンちゃんお目覚めかな~・・・。」
ニコニコとシフォンに笑顔を見せた。
「ね、姉さま?・・・姉さま、どうしてここに・・・」
「昼間この近くでお仕事があってね。病院でちょっと休んでたら、そのまま寝ちゃった。あの後、他の現場に行かなきゃならなかったんだけど・・・兄さま怒ってないかしら?」
「又、邪魔が入った・・・嫌な女・・・」
ユーワはスフレを睨みつけていた。
「あらあら、ユーワちゃん。暫く見ないうちに雰囲気が変わりましたねぇ。」
「これはこれは、スフレ様、お久しぶりですね・・・丁度良かった・・・私・・・あなたの事・・・大嫌いでしたのよ・・・だから、死んじゃってよ!」
ユーワは再びその禍々しい魔力をスフレに向かって放つのだが、それもユニコーンによって防がれてしまう。
「あれれ・・・私、ユーワちゃんに意地悪した事なかったと思うんだけど・・・」
「ええ、あなたは優しかった・・・その分け隔てなく向けられる優しさが嫌だった・・・その優しさがシフォンに向けられるのがもっと嫌だった!」
「姉妹ですもの仕方がないじゃない・・・・・・それにしても、拗らせすぎではありませんか。」
「あははは・・・良い事思いついちゃった。」ユーワは、魔力で近くに生えていた一本の木を引っこ抜きそれをスフレに向かって投げ飛ばした。
「これなら、聖なる障壁でも防げないでしょう!」
「ルナちゃん、聖騎士の盾!」
光の盾を顕現させる。
「物理防御だって出来ちゃうんだから。」
聖騎士の盾は、投げつけられた木を弾き返すと、砕ける様に消えていった。
「やっぱり・・・嫌な女・・・・・・」
「悪い事ばかりするユーワちゃんには、ちょっとお仕置きしなくちゃね。」
「そのユニコーンに何が出来ると言うのよ。」
「ルナちゃん、聖なる波動!」
ユニコーンは嘶き聖なる波動を発動させる。
「ふん!そんなモノが私に通用するとで・・・ギィヤァアアァァァァ・・・」
ユーワに直撃した聖なる波動は効果はテキメンだった。
ズドンと地面に叩き落されるユーワ。
「何故だ・・・聖なる波動が効くはずが・・・」
「ユーワちゃん。今の自分自身の状態がわかっていないみたいね・・・
あなたのその邪悪な魔力にとっては、この聖属性の魔法は相性最悪なのよ・・・」
「ははは・・・それは傑作だ・・・あんたと相性最悪なのは・・・最初っから分かっていたわ!」
「う~ん・・・なんか話しが噛み合いませんわね・・・」
ユーワとスフレの戦いを蚊帳の外になったシフォン、シルク、デービットの3人は目を食い入るように眺めていた。
「ナンカ、スゴイコトニ ナッテマスネ・・・」
「ユニコーンがこれ程とは・・・取り敢えずシフォン殿を連れてここから離れよう。」
「ごめんなさい・・・取り乱したみたいで・・・」
シフォンは、デービットとシルクに支えられ病院側に下がっていくのと入れ替わる様にスフレの部下と思われる二人の宮廷魔導士が飛び出てきた。
「スフレ様~。起きたんですね!大変なんです学院の方で気の触れた生徒がいるみたいで・・・」
「あら、二人ともおはよう。」
「おはようじゃありませんよ!いくら起こしても起きないんですから!タルト様に私達が怒られたんですからね!」
「言いたい事は有りますが、今は学院に急ぎましょう。」
「多分、それもう大丈夫だと思うわ・・・その生徒ならそこ子だと思いますよ。拘束してくださいます。」
ユーワはヨロヨロと立ち上がり喚き散らし始める。
「あははは・・・何が全てを手に入れられる力よ!全然ダメじゃない!あの変な男にもそこの女にも勝てやしないじゃない!」
≪足りないからだ≫
「はぁあ!足りない何が!足りないのはあんたの力じゃないの!大層な事をほざいといてこのざまよ!」
≪覚悟が足りない。我を完全に受け入れていないからだ。≫
「覚悟が足りないのはあんたじゃないのぉ!私にちゃんと力を与える気がないんじゃないのぉ!」
≪フハハハ。面白い面白いぞ女。我に噛みつくとは。良いだろう。くれてやろう本物の魔の力を。≫
「初めっからそうすれば良いのよ!」
「さっきから独りで何を言いてるんだあの子・・・・・・」
「早く拘束して下さい・・・嫌な予感がします。」
今まで激しく燃えるような禍々しい魔力がユーワの中へと収束して行き、その魔力が感じられなくなると、ユーワは狂った様に高笑いをしはじめたのだった。
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