「太陽になるために」
昇りはじめた太陽を そっと掴みとり
ほてった拳(こぶし)のままで 乾いた街を闊歩(かっぽ)する
いつもと変わらない風景と
いつもと変わらない自分とに
小さな決別を秘めたこと あなたはまだ知らないだろう
遠い季節に口ずさんだあの歌を
リピートしながら歩いて行くよ
頼りないほど不器用で ぶつけあうだけの感情
だけど何より純(ピュア)だった
あの頃の二人に会えるように
光見えないこの街を 風を感じて前へ行く
閉ざされそうな世界でも 心に問えば迷わない
逸(はや)る鼓動のままで ぼやけた道をたどる
いつもと変わらない時の流れと
いつもと変わらない自分とに
小さな野心が芽生えたこと あなたはまだ知らないだろう
遠い季節に眺めていたあの雲を
空に描きながら 駆けて行くよ
笑えるほど不揃いな 二人の夢を拾い合う
だけど何より温(ぬく)もっていた
あの頃の二人に会えるように
ともに輝くその日まで 声をさがして前へ行く
色あせた街の片隅 あなたが俯いている
翳(かげ)ったその頬に そっと手のひらをかざそう
ほら あなたを照らす 太陽が ここにある
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