第43話


「ただし、慎重に選びたまえ。君に選ばれた者は次期国王だということを」

そんなに重大な判断を私に委ねられても…それにまだ元の世界への帰還を諦めたわけではない


記憶はないがやり残した仕事もあるし、それにどうして私が殺されたのかを知らないからだ



「必要でしたらしますが、私は婚約などどうでもいい。今現状を変えることが最優先事項です」


今の最優先事項は元の世界に帰ることではない魔王が狙っているディアモンド様だ

叶うか分からない私のわがままを押し通して彼を魔王の元へ連れていかれても後味が悪い

「あぁそうだな…」



アダルでなくとも魔王の配下の依り代が他にいる可能性もある…



「結界はノワールが殆どやってくれているけれど魔王の配下の依り代がこの国にどれだけいるか…」



結界を張ったからと言ってこの国が安全ではないのだ


少しでも結界に穴でも作られればすぐに依り代が動くだろう





「せめて誰が依り代なのかわかれば」

わかったとしても、切り離すのは無理かしら?


見分ける方法も切り離す方法もございますよ



ノワールが私に教えてくれたのは、依り代を見つける方法と切り離す方法だった。




「なるほど、それなら大丈夫かしら?」




「何かいい案でもでたか?」



「えぇ、今すぐ名簿と前回の健康診断書を持ってきてください。この城いる全員分」


この城にいる人間の診断書があればそれ以上の結果はないだろう



「依り代を見つけるのではないのか?」



「ついでに健康診断もする方が効率がいいから」



ディアモンドは根っからの医者脳である私に呆れ果てるものの怪しまれずに見つけることができると判断したのか早速行動に移した



城にいるのは国民の4分の1である


たとえ国全土にいたとしたら時間もかかってしまう

ならば城の守りを固めて、城に入る際に見つける方が早い

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異世界でナイチンゲールは唄う 黒瀬アリス @KuroseaAlice1

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