第40話



「あれ?ここは…東京?私元の世界に戻れ…」



しかし目の前にいた人間はすり抜けていく



「あぁ、これは記憶か」


ノワールを呼んで憑依させたのだから無意識に闇属性でも使ったかな




「しかしこの記憶は…一体何の」



私の背中を誰かが押して身体が道路へ飛び出した


私を押した人物を見るが暗くてよくわからない


そこへ一台のトラックが走ってきて



なるほど、私はここで…殺されたのか




額に冷たいものが触れて目が覚めた



「…っ!?」





「大丈夫か?」



「え、えぇ…その…パーティーは?」



「あぁ、君の体を借りていたノワールが少し席を外すといって出ていった。この部屋に運んでいるから見ていてくれと頼まれ今はノワール自身が上手くごまかして替え玉をやっている」





「ということは、ノワールがディアモンド様をここへ呼んだ?」



「そういう事だ。何かうなされていたが」




「…少しだけ記憶が戻りました。私が死んだときの記憶…あの時誰かに突き飛ばされたような気がします」



「…っ!?」




「普通なら慌てるところでしょうけど思ったより落ち着いている」




「…君の家族について聞きたい」



「…はいなんでしょう?」




「両親については聞いたが君は兄の事どう思っていた?」



「私には優しくてとても大好きだった。もう会えないなんて悲しいと思えるほどに」


「…そうか」








「…なぜ死んだのか聞いてもいいか?」



「神崎雨は実の兄アルマに殺されたからです」



「…っしかしあの様子だと殺されたどころか死んだことすら知らない」



「記憶の解放によって彼女が死んだことを思い出せば必然的に殺されたのだと結びつくでしょう。そうなれば大好きだった兄に殺されたことを彼女が理解すれば堕ちるところまで堕ちていくだけです」

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