最愛なるあなたは花葬
誕生か、ああ、よかった
産まれて、産んで、ありがとう
容貌が、その心臓が
いかなる倫理を吐いても。
もういいさ、うん、もういいよ
誰のせいでもないから
あいそうよ、もう、あいそうか
一寸のひかりもしらずに。
おれは今日、老いてゆくだけさ
きみも今日、老いてゆくだけさ
その科学をともに、歩めば
死ぬことさえも
怖くないなあ。
生命に、芯なんて、なく
この宇宙が、散ることも
37度の、あいじょう、じゃ
革命の真理は、しれないよ。
いいじゃんか、でも、いいじゃんか!
しあわせだったら、いいだろう?
老いていく、今、老いていく
その焦りも、亡くなっていく。
『現実だ!げんじつだ!!』
これは、誰?
眼を、開いてんだ、剥いてんだ
焼いて、焦げてく、その生は
紛れもなく
あなただった。
めいめいか、ああ、命名さ
この子の『名』を、どうしよう
誕生か、ああ、よかった!
産まれてきて、ありがとう。
幾千の、また、幾万の
幸福のかたちを、紡いで。
しあわせになってくれよ
おれは今日、老いてゆけないが
きみは今日、老いてゆけるから
その花岳を走ってゆけよ
生きることは
怖くはないさ。
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