妹編完結しました
シレア国。執務室にて机に向かっていた王女は、羽ペンを置いて大きく伸びをした。侍女の置いていってくれた茶もすっかり冷めてしまった。菓子を口に放り込んで、甘い果実茶で押し流す。
「アウロラ、その様子は終わったか?」
カエルムが扉を開けるなり尋ねた。こちらも今日の業務を全て終えたらしい。
「終わったわぁー……はぁ、何度書き直したか」
「確かに、だいぶ変わったな」
「お兄様が途中で色々なさったのも反映したから。大仕事だったけど」
「それは疲れたろう。今日はもう休むか、久々に」
机の上に行儀悪く頭を寝かせた妹に、カエルムはそばの椅子にあった上着を投げてやる。その途端、アウロラの目が輝いた。
「ほんとう? 久しぶりね、お兄様と二人は」
「ああ。城下の宿場街で前から来いと言われている店があってな。今後のために、街で人気のある話でも聞いてこよう」
言いながら、カエルムの方も身軽な羽織に袖を通した。そろそろ夕暮れも終わる。料理長にさえ断れば、問題ない。
「行くか」
「行きましょう」
さて、初めに見つけるのは誰か、そして後で怒られるのは、誰からか。
※*※
カエルム兄さんと同じく提出書類の叩き台を終えた蜜柑桜です。これで明日の朝から仕事も快調(のはず)。
さてさて! もう一つの長編ファンタジー『時の迷い路』の方も本日で完結しました!
長かった……。
カエルム主人公の『天空の標』ができる発端になったお話なわけで、『天空』で起きた事件の原因その他のあらましが書いてあるわけですが、コンテスト威力もあってかすっかり兄に越されてしまいました妹編。(それはそれで兄編をお読みいただきありがとうございました!)
新たに書き加え、書き換え、を行って、物語の大筋は変えていませんが、核の部分に切りこむ改稿になりました。完読の方ももしご興味ありましたら、終章のみでも覗いてみてください。より二つの物語がぎゅっと繋がるラストになったかな、と自分では思っております。
私のカクヨムの双子の姉妹である如月芳美様が有意義なアドヴァイスをくださり、今の形に改稿できました。ありがとうございました!
すでに完読の方がたくさんいらして、コメントは消したくない! と思いまして、公開していたものを一度、非公開に→手を入れたという次第。実はこの前の第一稿は現在非公開になっているので、両者を合わせると150を超える星をいただいていることにいま気がつきました。なんと。
来年度は第3作を書きたいです。出だしと新しい登場人物だけ決まっているんだ……。
コンテストの方、なかなか読み回れておらず、昨年とえらい差です。通勤時間の減少も大きいですね。
読みたいものはたくさんあるのです。読み途中のものもいくつかあります。いろんな話を聞くので、コンテスト期間に読み終われないと営業に見られないか不安になってしまうです。紙の本と同じで途中積読は多い人なのですけれど、方々からお話を聞くので。
しかし読みたいものたち、せめてあと少しの読者選考期間、私もささやかな応援にあがりたい! せめて短編だけでも……
仕事がまた今日、どどん、どんっと来たのです。でも頑張ってお邪魔したい次第でございます。
ところで出ました、妹王女の名前、「アウロラ」です。もう一人、主人公が出てきます。「アウロラ」はまたラピスとは違うタイプの王女様ですね。ラピスより強い。
何気にファンが複数いるのは料理長。
物語本体はこちら。気が向いた時にでも、「時間」に翻弄されたシレアへどうぞ。料理長の南瓜のスープが待ってます。
『時の迷い路』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889868322
さて寝付くまでちょっと読みに行けるかしら、と思っております。
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