この物語はタイトルからも分かる通り【魔法】の物語です。
この物語で出てくる魔法はいずれも、即席魔女となった少女たちの【個】から生まれた唯一無二のものとなっています。それがそのままこの作品のオリジナリティ。おぞましくも、ある種美しく、感心させられるような魔法。魔法の発現に至るまでの、これでもかという絶望感。皆が憧れる魔法とは全く違った魔の法がここにあります。
劇中、魔法によって人を死に至らしめることもある少女たち。しかし、この物語中で社会的に裁かれたり、因果応報によって劇中で(読者にカタルシスを与えるかのごとく)死んでしまうようなことはありません。そこが本作の大きな特徴だと思います。
魔の法によって起こった因果は、社会的な道徳や、ご都合主義によって回収されたりしない。真の意味で魔の法の物語。魔女と化した少女たちは、業を背負いながらも生きていくーーーー。
また、主人公。
魔女殺しの剣を持つ、感情を失った少年。
彼が対比として少女たちの激情を浮き彫りにする。そしてきっと、この主人公はどんどん読者の好感度が上がるタイプ。
途中暗い展開も多いですが、ラストはとてもさわやかなので、最後まで読むことをお奨めします。
常識では量れない二人の繋がり、絆、愛ーーーーそういうものが好きな方も是非!
文章、アイデアともに優れた才能をお持ちの作者様。
新作のあらすじで「即席魔女」という単語を見た瞬間、ビビビときました!
主人公・透久凪は恩人である魔女・都瑚の弟子となり、敵対する大魔女ニュクスに立ち向かっていくのですが、彼の立ち居振る舞いが押し付けがましくなくてとても良いです。
クールでドライなのに、行動や言動の裏にはちゃんと温かみがあり……理想を超えた人格で。
彼の前に現れる、魔薬をもらってしまった女子たちも、それぞれ闇を抱えていて、その群像劇がまた面白いです。
透久凪はニュクスを殲滅するのか、それとも違う未来となるのか。
最後まで見逃せません。^-^
第09話が投稿された時点で、とある【即席魔女】はあまりに理不尽な仕打ちに遭います。
こんなことにならなくてもいいじゃないか。そう思えます。
この物語は、この先、どう進むのか。
それを占える作品があります。
作中に挿入されるエピグラフは、同じ作者の「虚構の中の真実」という名で作品としてまとまっています。そこで展開されるのは不条理と逆説。
こんなことにならなくてもいいじゃないか。そう思えども、実は個人の期待を裏切るのが世界の摂理ではないか。そう気づくと背筋が寒くなります。
しかし主人公は、世間からずれていますが、望みを持ち、自ら動きます。動いた結果も不条理に終わるかもしれません。でも動くのです。
作者が主人公と世界にいかなる結末をつけるか、楽しみにしています。