エモクロアTRPG「よるにつがえ」
※この感想記事には、シナリオ「よるにつがえ」の重大なネタバレを含みます。2022年6月19日に行われたセッションの感想記事です。
「オリカミ」「オトギバラシ」と続き、エモクロアTRPG公式シナリオの3本目! エモクロアTRPG、約束されたエモが相変わらず素晴らしく神卓だったというお話。
◆DLさんについて
今回は普段から卓を一緒に囲むベーゼンさんにDLをしていただきました。感謝! 我らのよく知る神GMの一人ですが、エモクロアTRPGのDLもされ始めたたようで、安心と信頼のシナリオ回しでしたね……!
ソードワールドとか、あと最近だとスカイノーツのGMなど、結構戦闘ありありなシステムで大変に良質な神シナリオを回されるイメージが強かったのですが、シナリオやRPに主軸を置いているシステムとの相性も抜群に良かったですね!!
戦闘も、シナリオも、演出も完璧に行うのは流石歴戦のGMといったところ……特に部屋づくりや描写の仕方がさらに洗練されている印象で、シナリオへの没入感が凄かったです! やっぱ神GM/DLたちは違うんだぜ……
で、神DLに回してもらった「よるにつがえ」ですが、そこに神PLがくっついたことによって最強の卓になりました。最強の人多すぎない?
◆PLさんについて
「よるにつがえ」は二人のPLで進めていく2PL制のシナリオになっております。ふと思ったのですが、最近(?)少人数でのシナリオすごく多く感じます。シナリオやRPをがっつりやるタイプのシナリオだと、少人数の方が密度と没入感が凄くて滅茶苦茶好きだということに気が付きました。逆に、戦闘ありありだったり探索するタイプのシナリオは多人数でわいわい進めると楽しいんですよね。
話がそれましたが、今回卓を囲むもう一人の仲間は、こちらも普段からセッションを囲むことの多いフーカさんです。いつもお世話になっております!
フーカさんといえばGM/DLのイメージが強いのですが、当然のようにPLも神。ていうか周囲に神々多すぎるだろヴァルハラか? 今回は二人で一緒に何かをする、といった場面が多かったので、いろいろと絡めて楽しかったです! こっちの動きやRPにすぐ反応してボール投げ返してくるのマジで歴戦のPLなんですよね。これが最強たる所以なのだ。
〇PC:
今回のHO2。神楽舞を行う方のキャラクター。
16歳、高校一年生。本人は嫌がってるようですが、くせ毛がチャームポイントな美少女巫女さん。だけど身体のステータスが6で滅茶苦茶力持ちというギャップもち。物理的にもキャラ的にも既に強い。今回の舞台となる田舎町に生まれ育ち、大きな日本家屋の家に住むお嬢様。空手が得意な巫女さんっていうのは新しい気がする……!
おしとやかで丁寧な話し方をする生粋のお嬢様。なのに時折見えるカラテ・パワーがお嬢様という硬さを程よく崩してくれるので、高飛車な感じや驕ってる感じもなく常に自然体で接してくれるのが滅茶苦茶いい! お嬢様キャラって結構知性が高くて、成績優秀なのが多い(と思う)んですが、知力1のため毎回赤点とってくるのが個人的にツボな部分です。お家の人に何か言われてそうですが、絵里ちゃん滅茶苦茶前向きに受け取って勉強するんだけど、結局赤点かギリギリ回避ぐらいの点数取ってきそう。根が真面目なんですよね。好き。
芯が強くて、問題を前にしてもできる事、できないことで綺麗に分けてそれを受け止めれる度量の「強さ」がある子だと思いました。度量が「広い」っていうよりも、純粋にそれを自分のものとして受け入れちゃう速度が速いって感じでしょうか? 受け入れられないこともあるけど、それはそれとして現状を受け止め切れる強さというか、心が完成しているって感じ。落ち着いてて、動揺することもあるけど回復も早い。すっごい安心して頼れる反面、あんまり頼ることもない感じ。だからこそ、彼女に頼られるのが凄い新鮮で個人的にはうれしい瞬間でしたね!
今回はHO1が表面は元気だけど内面は結構引きずるようなタイプだったので、彼女に救われるシーンも結構多かったです。あと純粋に判定や最終決戦の舞で助けられたのも多くて、ホントに頼りになるHO2のキャラクターでした! 今後は神楽舞を引き継いで、正しい伝承と儀式を引き継ぐといっていたので、きっと遠い未来にも蛇神様と、この地の伝承は正しく語り継がれていくのでしょう。とても良い……
〇PC:
今回のHO1。弓神事を行う方のキャラクター。
HO2と同じクラスで、16歳の高校一年生。跳ねっかえり茶髪がトレードマークのお調子者男子生徒。弓の技量を高めるため、器用のステータスが6であるものの、反面身体が1という虚弱体質。虚弱っていうか弓を引くだけの筋力しかない。実際1じゃ足りない気もしますが、そこはそれということで……
絵里ちゃんと同じく、今回のシナリオの舞台である田舎町に生まれ育ったどこにでもいる男子生徒。弓士の名家に生まれたがために昔から弓に触れる機会が多く、今では全国大会で記録を残すほどの弓士。クラスに一人はいるタイプのお調子者で、騒ぎが大好き。騒ぎがなければ騒ぎを起こしたろ、と思うタイプのお馬鹿さんですね。知力5なのに。
田舎町に嫌気がさしている、どこにでもいそうな普通の男子高校生をイメージしていいます。高校デビューに伴って黒髪を茶髪にしてみたり、最新のスマホがほしかったり、休みの日は隣町に行って駅前のスタバに入ってチョコチップ入り抹茶フラペチーノを頼んだり、おいしいクレープ屋さんでいちごクレープを頼んだり……なんか甘いの大好きな女子高生みたいになってしまった。
あと、自分の名前にコンプレックスを持っていたりもします。「かぐや」という女子っぽい名前が気に入らず、クラスメイトには「かくや」とか別の名前で呼ばれたりするほど。絵里ちゃんからは「カっちゃん」と呼ばれていますね。
今回のセッションで、弓士をやることになったのでそれっぽい名前を授けようと、神話に現れる「
「表面元気なんだけど、内面は年相応な悩みやコンプレックスを抱えさせるの大好き」侍なので、彼にはこういう業を背負ってもらいました。すまんな。
そんな性格なので、普段はおちゃらけて楽しそうに騒いでるんですが、ふとした拍子に見せる弱さや、感情が激しく動くところっていうのを意識していました。二日目の夜、九綱山にとぐろを巻く巨大な悪神を見たとき見栄を張って大丈夫なふりをしていたり、最後の決戦直前に伝えられた事実に激怒したりなど、少年にふさわしい不安定さをRPできたので大変満足でした。何が凄いって、フーカさんが即座に反応してそれに気が付くかどうかを判定し、併せてRPして下さったところですね。すげぇ対応力だ神と呼ばれるGMPLは格が違いますよ……
このシナリオが終わった後、実は大学進学に伴って街を出ようとかいろいろ考えていたのですが、自分の住んでいる町や、九綱山、それに蛇神様のことをもっと知りたいと思うようになり、自ら街に残る道を選びましたね。これも成長なのかも。もちろん都会へのあこがれはありますが、それ以上に守り抜いた街のことや、古くて新しい友達のことが気になって、廃れた神社の再興に奔走してくれることでしょう。がんばれ加九矢くん!
◆シナリオについて
夏、田舎街のお祭り、少年少女たちが邂逅する不思議な少女……ひと夏の思い出にふさわしい、ジュブナイルな青春シナリオ! って感じでしょうか。やっぱ舞台背景が強いっすわ……夏の、しかも田舎のお祭りの神事に選ばれた二人組ってだけでもう特別感あるじゃないですか? そこに現れた不思議な少女と、彼女にまつわる失われた神話の物語ってもう熱すぎる! 激熱ですね!!!
シナリオそのものの難易度はさほど高くないかなぁといった感じ。これはDLさんがうまいこと誘導してくれたのかもしれませんが、調べるべきところできっちり調べ物ができていれば真相には辿りつけそうです。あとはPLたちの選択次第って感じ。以前参加させていただいた「オトギバラシ」ががっつり推理物とすると、今回は比較的お手軽に遊べる物語重視なシナリオだと感じましたね。それだけRPや物語に没入できるので、ひと夏の爽快さを味わいたい人には大変おススメできます!
しかも、なんと公式HPで無償公開されており、オンラインセッション向けの画像なんかもboothで300円で販売だって!? なんてお買い得なんだ!! みんなもぜひ買ってみよう!(販促)
このシナリオは、ざっくりといえば「蛇神であるヤヒロ(夜尋)と、災厄をもたらす悪神・九綱山に封じられていた大百足との戦い」を描いたもので、そこにPL達が関わることでその結末を変えていく。といった形。
ヤヒロは長い間、生贄を捧げる儀式をされていないため、大幅に力を失っています。その結果封印が弱まって復活を遂げようとする大百足を刺し違えてでも倒し、九綱山と、その地に生きる者たちを守ろうとする……まさにこの地の守り神なわけですね。生贄、といっても実際に人を喰らうのではなく、依り代となれる人間に憑依し、その魂ごと一つになることで力としていたようです。実質的に喰らってるような気もしますが、ちょっとだけ霊力を分けてもらっていた、というのが実情なのかも。この力が枯渇してきたので、“最期”の思い出作りにお祭りに降りてきたところ、PCたちと出会った……そういうバックボーンが存在しているようです。
実際、本来の力を取り戻したときの夜尋は、上半身は美しい人の姿で、下半身は巨大な白蛇の姿であり、エキドナやナーガのような神々しさがありました。「夜尋」も最初はカタカナ表示の「ヤヒロ」だったので、末広がりの八の方の「八尋」かと思っていましたが、夜の方だったんですね。蛇神様なので、やはり夜にちなんだ名前なのかもしれません。蛇は夜行性ですし。
また、日本では蛇神は水を司る神様にあたるので、転じて龍神信仰にもつながり、大百足と弓の伝承と合わせて「三上山の百足退治」を想起させるシナリオにもなっていて、とても面白く興味深い物語でした! 最初の方からムカデがちょいちょい出てきて、やけにムカデ推してくるな……しかも弓。とか思ってたら本物の大百足が出てきてはわわってなりましたね。とても面白かった!
PCたちに目を向けてみれば、お祭りシーンで仲を深めたり、一緒に遊んだり、神事の稽古をしていく中で、どうやったら「ヤヒロを救えるのか?」で最初の方から動いていたので、とてもスムーズに話が進みましたね。流石光のPLとDLですね!!!
神事もできなくなるかも、という話が出たときも「勝手にオレらでやっちゃおうぜ!」と盛り上がり、巨大な大百足を見たときも、へこたれる加九矢を絵里ちゃんが支えたり。濃密なRPをすることができて楽しかったです!
こういう時にへこたれるPC結構好きなんですよね、ちゃんと弱点があるPCというか、不意にさらけ出される本音みたいなのを吐露しちゃう、心に隙があるキャラがすきでして。それに対してしっかりと支えてくれて、しかも一緒に戦うために手伝ってほしい、っていえる女の子の心の強さに今回は救われました。結構好き放題やらせてもらったんですけど、がっちりつかんでRP投げ込んでくるのは流石でした! ありがとうございます、少年少女の青春から得られる栄養素でこの夏は越せそうです。
最終的には、HO1である加九矢がその身を「依り代」として夜尋に提供し、一時的に憑依状態となることで、無事大百足は倒され、夜尋も消滅することなく二人の元に帰ってくることができました! いわゆるクライマックスAルートに進んだようです。今回のクライマックスシーンも、絵里ちゃんの舞がトリプルをたたき出し、共鳴度のボーナスも合わさって初撃で弓術判定ミラクルをたたき出して、見事一矢撃破となりました! あれは滅茶苦茶熱かった! 絵里ちゃんがトリプルを出してくれたので、だいぶ余裕をもって矢を放つことができました。まじであんなにキメRPした後に外したとか洒落になりませんからね。
その後、3人は街へと繰り出しひたすら都会の楽しみを覚えて帰ってくることだと思います。今までは一人ぼっちの守り神でしたが、これからは3人で九綱山を守り、そしてみんなからも愛される守り神、蛇神様こと夜尋になっていけばなぁと思いました。孤独な神さまは人の友を得て、人もまた古くて新しい知己を得ることになるでしょう。
いやぁやっぱエモクロアTRPGエモ成分の摂取量が半端じゃないよ!! 滅茶苦茶いいシナリオばっかじゃん!! それにやっぱり神DL/PLのお力が強いんだよね!
今回も一緒の卓を囲めて大変うれしかったです! そしてやっぱり楽しかった!
また機会があれば、是非よろしくお願いいたします。それでは!
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