第17話 冒険者登録
翌日、ゴラン・フォン・ヘンドリックとくだんの件に関係があるものを拘束して王城に連行する。王城に入ってすぐ陛下への謁見が始まり結果としては、
ゴラン→爵位剥奪また、首謀者ということで斬首の刑
ゴランの家族→犯罪奴隷として鉱山送り(強制労働)
使用人→犯罪奴隷として買い手が決まり次第、主人となったものへ奉仕
だいたいこんな感じだ。闇ギルドのやつらがいないって?あいつら全員、歯に毒を仕込ませておいて連れていく直前自殺したんだよ。クラウドさん達に任せてたから止められなかったっていうのもある。僕がいない時を狙ったんだろうね。
そして、今回の事件は貴族全員に知れ渡り、
「さて、エルくん。なかなか派手なことをやってくれたね(笑)」
「陛下、笑い事ではないです」
「ですよねぇ」
「…もしかして潰すのはやばかったですか?」
「いやぁ、うん。まぁ、あいつはかなりウザかったしそれはいーんだけどさぁ」
この人はオブラートに包むということを知らないのだろうか。
「領地の問題なんだよね」
「あ、たしかに。あれでも一応伯爵家でしたもんね」
「そうなんだよねぇ...、あ、いいこと思いついちゃった〜(棒)」
「……嫌な予感がします」
「エルくん!」
「…はい」
「爵位をあげるからあの領地まとめてみてよ!」
「アホですか?」
「ストレートだねぇ」
「いや、は?僕7歳ですよ!な・な・さ・い!」
「もちろん分かってるとも」
「急に真面目トーンで喋らないでください」
「話進めるよ。そこでなんだけどエルくんには学校を卒業するまでには何か凄い功績をあげてほしいんだ」
「無茶ぶりすぎます」
「まあ、簡単なことだよ。なんなら今から始めることだってできる」
「…どういうことですか?」
「闇ギルド」
「?……ッ、まさか!?」
「そういうことだよ」
「エフテル、話についていけないぞ」
この場にいるもので分かってないのは父さんだけみたいだ。
「父さん、凄い功績で闇ギルドといえば?」
「んー...、もしや.....」
「多分それであってる。陛下、闇ギルドの
「確証はない。だけど、かなりの高確率であるかもしれない」
「けど、それは国で動くものでは?」
「アリエル・フォン・アルバート」
急に宰相から呼ばれて少し驚いた。
「冒険者登録は?」
「してないです」
「登録は7歳からできたはず。今から1ヶ月の内にAランクまであげなさい」
「…宰相もかなり無茶ぶりしてきますね」
「いえ、君ならできると確信しているだけです」
「ハハッ、それができたら俺たちを超える史上最年少最速Aランク入りとなるな!既に実力は俺たちより上なんだ。この程度、朝飯前であろう!」
「父さんたちが記録保持者なんだ」
「ああ、そうだな。俺とベルは14歳でAランク入りだったからな!」
ははは、あんたら相当な化け物だとは思ってたけど、子供の頃からとはね。うける。
「はぁーー、分かりましたよッ!やればいいんでしょ、やれば!」
「頼んだよ、エルくん。1ヶ月後にAランクとなった君に指名依頼をだす。そこで先頭に立ち、闇ギルドを潰すんだ。頑張ってね!」
◇ ◇ ◇
っということでやって来ました、冒険者ギルドーー!!!
…はぁ、こんな陛下からの指示で冒険者登録するなんて嫌だったよ。自分から行きたかったのに。ドアを開き中に入ると視線が集まる。ガン無視して受付嬢のところへ向かう。
「(あっれー?こういうのって普通テンプレで絡まれるもんじゃないの?)」
受付嬢の顔を見るとかなり怯えてるようだ。なんでだろう?
「あのー、登録しにきたんですけど」
「はっ、はいっ、たっ、ただいまっ」
なんかおもろいな。すると、さっきの怯えた受付嬢さんではなく、とても落ち着いた雰囲気な受付嬢さんに入れ替わっていた。
「ここからは私が務めさせていただきます」
「はあ」
「まずこの紙に得意武器や適正属性などを記入してください。あと、」
そこまで言い、顔を近づけてくる。すると小声で
「どんなことを書いたとしてもギルドカードに刻まれて見られることはないです。例外はありますが」
ん?なんか僕の適正属性が全属性ってことを知ってるような言い方な気がするな。鑑定?…はレジストしようと思えばできるし、まず見れないと思うけど。
「あの、例外というのは...」
「ギルドマスターから見せろと言われた時などでしょうか。まあ、支部によって権力の強さが変わりますからランクが高ければ拒否することも可能かもしれません」
「なるほど」
てことはギルドマスターにだけは見られる可能性があるってことか。まず信頼できるかだな...と思っていれば、奥から1人の強い魔力反応が近づいてくる。
「君がアリエルくんでいいかな?」
「なぜ僕の名を?」
「あれ?知らされてないかな?じゃあ登録の前に応接室までついてきてくれ」
「はあ」
そのまま後ろをついていく。それにしても、この人めっちゃ強いな。母さん並の魔力量でオーラが半端じゃない。…もしかして、この人がギルドマスターなのか?
「さぁ、座って」
「はい…、えっとあなたがギルドマスターで、いいんですよね?」
「うん、そうだね。冒険者ギルドハイザル王国王都支部ギルドマスター兼S1ランク冒険者のエフォートだよ。よろしく」
「身元はバレているようなので、アルバート辺境伯家が三男、アリエル・フォン・アルバートです。よろしくお願いします」
「あ、こっちは副ギルドマスターのセリアだよ」
「セリアです。よろしくお願いします」
さっきの落ち着いた雰囲気の受付嬢さんだ!まさか副ギルドマスターだとは...
「で、本題なんだけど。陛下からいろいろと言われてるからこっちも協力するようにしたよ。実際、誰にも絡まれなかっただろう?」
「そういうことかぁ〜〜!」
頭を抱えたエルだった。
「(俺のテンプレェーーーー!!)」
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