オカルト連盟事件簿

猫杉て

プロローグ オカルト連盟総会

桜河高校オカルト連盟、通称『オカレン』はオカルトや魔法に関する以下の9つのサークルによって構成される団体である。


・マジック研究会

・占い同好会

・薬草研究会

・催眠術研究会

・ハロウィン愛好会

・超常現象研究会

・心霊現象研究会

・ドラゴン研究会

・黒猫屋


各サークルには会長及び副会長が存在しており、その中から任命された2名が「オカレン」の総会長、総副会長となる。


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「これより、今年度第3回目のオカルト連盟総会を始める」

オカレン総会長の桐生先輩がみんなを見渡す。

マジック研究会の会長も兼任している桐生先輩はいつもマジック用の手袋をつけ、前髪をオールバックにしている。

隣にいるのは占い同好会会長及びオカレン総副会長の黒瀬先輩だ。

美男美女カップルの二人は、高校生とは思えない堂々とした風格があってとてもかっこ良い。


さて、そんなキラキラした二人と対照的なのが、どんよりとした暗いオーラをまとう僕ら超常現象研究会である。


「はー、かったるい。早く部室に戻って記事の続きを書きたいわ」

超常現象研究会、会長の吉野先輩が頬杖をつきながらため息をつく。

「吉野先輩、ちゃんと話聞かないと怒られますよ」

「適当で良いのよこんな会議。小山もそんなに緊張してないで、くつろぎなさい」


くつろげと言われても各サークルの会長と副会長が参加するこの総会で、1年生は僕一人。自然と背筋が伸びる。

部員数の少ない僕らの研究会は、3年生が引退した今2年生一人、1年生二人しかおらず、僕以外の1年は全くやる気がないので仕方なく僕が副会長になったのだ。


「では次、超常現象研究会、文化祭の企画を発表してくれ。と言っても、まだ企画書すらもらってないんだが」

桐生先輩にサークル名を名指しされびくっとする僕。

「毎年同じよ、超常現象誌『MO(モー)』の発行、販売。企画書なんてあったっけ」

マイペースに答える吉野先輩。

「あのなぁ、こういうのはきちんと出してもらわないと困るんだぞ」


呆れる桐生先輩の横で、総副会長の黒瀬先輩がキッとこちらを睨む。

黒瀬先輩はとっても綺麗だけど目つきが鋭いので怒ると迫力がある。

「こっわ」

小声で呟く吉野先輩。


全校生徒700人のこの高校でオカルト連盟、通称オカレンに所属するサークル部員は総勢100人以上いる。

かなり大規模な団体なので、本校舎と渡り廊下で結ばれている東棟はオカレンの部室で貸し切りだ。


部外の生徒の中には、僕らオカレンのことを『アタオカレン(頭おかしい連中の略)』と揶揄する連中もいるけど、それでも僕らは胸を張って大好きなサークル活動をしている。特に、秋の文化祭には命をかけているんだ。


後ろの席の薬草研究会の松林先輩が自分達の企画について発表し始めた。

文化祭が開催されるのは11月1日と2日の二日間。

今から一ヶ月ほど先だ。

この時の僕らは、文化祭の開催が危ぶまれることなど微塵も予想していなかった。

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