愛に包まれて

親が亡くなり、もう問題のなくなってしまった私だったが、本当に人の死というものはあっけないものだとよく考える、親の位牌に手を合わせていると私を苦労させたあの人たちのためになぜ自分が朝早く水を変えご飯を供えるのかよくわからなくなってくる。思えばあっという間に過ぎ去ってしまった自立すると決めたあの日から。選んだ道だから今更後悔はしない、自分は家庭の幸福には包まれていたかもしれないと思うことがある、悩んだりしたがお金の苦労はさせなかった父、面白い母親、優秀な弟妹、今は自分が幸せかどうかはわからないけれど多分そこに家族の絆は存在していた。私は今日も愛をくれた人々のためにピアノを弾き続ける。働き続ける人たちに感謝をこめてこれを読んでくれたあなたのためにも。

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ピアノと私 斉藤なっぱ @nappa3

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